きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

原色

ぽた。
ぽた。


足下にじゃれついてきたエミリ*1にちらりと目を向けると、つぶらな瞳でまっすぐに見つめてくる彼女と視線がぶつかります。邪気のまったくない二つの宝石の輝きは、いつのまにか汚れてしまったわたしには、少々居心地の悪いくらいのまぶしさに感じられて、愛猫にほほえむ自分の笑顔もいくぶんかぎこちなくなっていると感じながら、視線を戻して仕事に戻りました。今日中にこれ、終えておかなきゃ。


ぽた。
い。真っ。鮮やかな。血の。命の


お?ぽた?
へ、うわっ!エミリが口から血を流してる。


びっくりして床にたまった血だまりを見ると、キレイな赤です。吐いた様子はないし、呼吸の苦しい風でもない。すると、内臓や肺ではなくて、口の中から、またはその近辺からの出血?
相変わらずぽたぽた垂れ続けてはいるものの、量を見ればたいした出血じゃないみたい。でも人間の基準で考えちゃいけない──うん、ネコの体躯を考えても、まずい量の血じゃないと判断する。


よし、まずは一安心。次は出血位置の特定だね。
かるく、口の脇をめくりあげてみる。いやがりはするけど、さほどの痛みは感じていないと思う。あ、これ、か。右奥の歯茎、ここだ。歯肉炎だね、やっぱり。悪化して歯が‥‥あれ、ここ、歯あったよね。抜けたかな?それでの、出血かな。


よし、いいね。あとは、獣医さんに電話だ。日曜の夜でもう診察時間は終わってるけど、ごめんなさい。ちょっと相談させてください。


─────


結論としては、だいじょうぶ。
念のため、明日にでも連れてくるように言われたけれど、おそらくその必要もないくらいの症状だろうとのこと。ほっ。


それにしても、親身に相談に乗ってもらえてよかった。


かなり本気でどうでもいいことですが、症状の説明が簡潔明瞭だって、獣医さんにほめられました。わ〜い。


当のエミリは、始まりから終わりまで、涼しい顔を貫いていました。
心配してやってたのに。だけど、泣くほどには、痛くないってことだもんね。よかった。
って、あ、もう寝てる。おやすみなさい。

*1:飼い猫