きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

休むに似たり

目の前には真っ白な原稿用紙*1、右手には真っ黒なコーヒーを湛えたお気に入りのマグカップ。
左手で資料のページを繰りながら、足下に丸まっているネコをつま先でつつく。


その気品に満ちた仕草を一瞥しただけでは、すべてが思惑通り進行しているさなかの、くつろいだ休憩時間に見えるかもしれない。
だが、最初から疑いの視線を向けて凝視してみれば、額にじっとりとかいた汗にへばりついた前髪や、こめかみに浮かんだ静脈の筋、目の下の隈と荒れた肌、そしてなにより血走った鬼気迫る両のまなこに気づくだろう。


「なにが今年は猛暑よ。まだ梅雨すら開けてないじゃない」


わかっている。やつあたりだ。
天気予報のいっそさっぱりした心が洗われるほどのハズレっぷりは、もちろん問題視されてしかるべき事柄だ。だが、それは、関係ない。


どんな暑さも、梅雨特有のじめつきも、真っ白な原稿用紙とにらめっこしている理由にはならない。では、なぜこうなったのか。どうしてこうなるのか。一度はっきりと、筋道立てて検証してみる必要があるかもしれない。


間近に迫った論文の〆切におびえてコーヒーをあおり、頭痛薬をキメ、眠れぬ夜を過ごすのは、もはや朝晩の歯磨きと同じくらいに当たり前の生活となった。


なるなよ。


「なるなって言われてもぉ、わたし、わかんなぁい」


‥‥はっ。誰と会話してるんだ。いま、確かにわたし以外の誰かがツッコミを入れてきた。
足下のエミリ*2を見下ろすと、じぃーっとつぶらな瞳がわたしをとらえていた。


「まさか、あんた?」
「にゃー」


なに。牛乳ほしいの?おなかすいたの?


「にゃー」


我が意を得たりとばかりに駆け出して階下のえさ置き場へと走り去っていく。
ああ、はいはい。いま行くよ。何かあげましょうね。


本気で休憩しよう。こりゃ効率悪いや。

*1:Word上ですが

*2:飼い猫