富めるものから乳を奪い貧しきものへと分け与えるという ── 義賊・おっぱい小僧。
乳の重みから来る全身の凝りに耐えかねて腕のいい按摩師を訪ねた千房は、そこで乳を分け与える力を持つらしい怪盗の話を耳にする。




その技はもしや『乳流れ』か? おっぱい小僧の予告状が届いたという商家へ用心棒として入り込んだ千房は、そこで恐るべき貧乳の剣客・桜花と出会った。彼女の胸もまた魔乳の犠牲になったと言うが……ちなみに『恐るべき』は『剣客』にかかります。


だから巨乳と肩こりは関係ねえって言っただろ!!


ふぅ。すっきりした。
いやマジで。ブラが合ってないとか付け方がおかしいとか、そんなんだと思います。
千房はそんなのつけてないんだろうけど……。



さて、おっぱい小僧の正体は件の按摩師。そして、千房の母方の一族である乳杜の民の生き残りでありました。
つまり彼女の技はやはり胸杜の技。ただし『乳流れ』の極意に達するにはまだまだ遠く、乳を奪う力のみしか持っていないとのこと。奪った乳を分け与えているという噂は、彼女の整体術による豊胸の効果がたまたまおっぱい小僧の噂と重なって尾ひれがついたものであろうとの話です。


マスメディアもネットも無く市民の間での情報伝達が直接の口コミのみだった昔には、このような流言飛語により事実無根の事柄がまことしやかにささやかれることが多かったと言います。
おそらく彼女のモデルになったのであろう鼠小僧次郎吉も、捕縛された時に盗んだお金がほとんど残っていなかったことから、貧しいものにお金をばらまいていたからこんな質素な暮らしになっていたに違いないと噂され、それが現在に至るまで多くの人が信じている“事実”となっています。研究によると、実際には酒やばくちに散在していたからお金が無かったという説が有力のようなのですけれど。



だけど、このおっぱい小僧は、乳を分けることこそできなかったけれど、おごり高ぶる豊乳を懲らしめる市民のためを考えていた存在であることは間違いありません。決して私利私欲のために悪さをしていたわけじゃない。それだけは覚えておかなければ。


千房をかばい桜花の剣で命を落としてしまった彼女に、合掌。


さて、来週はわたしが愛して止まない三重鳩胸さまの活躍回のようです。
いまから乳がうずいてしかたがありません。うずくほどあんのかって? うっせえな。


では、また。