きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

2011年インディカーシリーズ第17戦『ラスベガス』

おそらくインディカーを少しでも知っている方なら、もうとうにご存じのニュースでしょう。
ダン・ウェルドン選手が亡くなりました
優勝経験も多く過去にはF1チームから誘いの声までかかった優秀なドライバーでしたが、今年はフル参戦がかなわなかったために、来年度から使用される新型シャーシのテストドライバーを務める傍ら、インディ500と今回の最終戦のみにスポット参戦をした人でした。


今回彼は最後尾からのスタートでした。それは予選順位がわるかったせいではありません。
いかにもラスベガスらしいビッグな賞金獲得イベントに挑戦するためでした。





── 最後尾からスタートして優勝したら500万ドルのチャレンジングレース


これを聞いて、いくつかの掲示板からは、口さがない人たちの「金に目がくらんだ」からだ、とか、あろうことか「自業自得」だなどと失礼な声が漏れ聞こえてきます。


そういうものじゃないでしょう?


それは人間だし、プロドライバーだし、500万ドルという高額賞金はぜひとも欲しいでしょう。その部分を否定しようとは思いません。それでも、わたしがぜったい違うと言いたいのは、彼はお金に“目がくらんだ”わけじゃない、と、そこです。


わたしはインディカーのファン歴がそう長いわけでもなく*1、それほどまでに思い入れのあるドライバーだったわけじゃありませんが、彼が目先のお金だけにふらふらと引き寄せられるような安っぽいドライバーじゃないことは、経歴一つ見てもわかります。


たとえば、インディカーで走る実力もないような選手がこれに参加しようなんて話ならば、それはその通りお金に目がくらんだと言われても仕方が無いでしょう。


ダン・ウェルドンはそうじゃないでしょう?
この難しいゲームにチャレンジして賞金を狙う“資格”があったと、わたしは堅く信じます。


お金の他にも、


来年のシートを見据えたアピールもあったかもしれない。
誰も参加しようとしないイベントに一人参加してファンを沸かせてやろうと思ったのかもしれない。
あるいはもっと単純に腕試しがしたかったのもあるかもしれない。


今となっては真相は闇の中です。
だけど、彼をちょっとだけでも知れば、どれだけ偉大なレーサーだったかわかります。
決して「無謀な賞金レースに挑戦して事故死した」なんて思わないでください。





今回の大惨事の要因の一つ、オープンホイールカーの宿命とも言える、タイヤに別のクルマのタイヤが乗り上げて宙を舞ってしまう悲惨な事故。来年から採用される新しいクルマは、この部分を大幅に改善してあるそうです。そして、その改善のためのテストに尽力してきた一人が、誰あろう、ダン・ウェルドンその人なのです。


ダン・ウェルドン選手の安らかなお眠りをお祈りします。

*1:ぶっちゃけ短いっすね