同じ高校に入った太一に一緒にかるた部を作ってくれるようにと頼んでみた千早だが、彼の返事ははかばかしいものではなかった。やむなく千早は、自分が次の大会で優勝してA級選手になったら協力してくれ、と太一に一方的な約束をとりつける。


果たして、見事A級選手になったちはやは、一別以来なぜか連絡をためらっていた新に電話で報告をする。しかし、電話の向こうから聞こえてきた言葉は、千早が想像もしなかったものだった。


かるたとか、もうやってないから


中学の時、自分なりに精一杯の努力はしてきた。


そして、悟った。


青春全部をかけても新には勝てないって、わかった。


太一は、かるた部に乗り気でない理由をかるた会の原田先生にそう告白する。
だけど、彼は、ちはやのひたむきに戦う姿を見てしまった。全身全霊を打ち込み楽しそうに競技をする姿を見てしまった。




青春ぜんぶ懸けたって強くなれない? 懸けてからいいなさい


原田先生の言葉が耳朶を打つ。
太一は、やる前から自分の限界を自分で定めて、小さく収まってしまっていた自分に気づけた。




△▼△



ちはやふる』には大好きなセリフがいっぱいあるんですけどね、この時の原田先生の言葉は、その中でも1,2を争うものなんですよね。
やってみてダメだったなら仕方ない。でも、やってもいないのにダメ“だった”って言うのはどうなのよ。
そう思うじゃないですか。




さて、次回は新の変化について、かな。
彼に何があったのか。それこそ青春のすべてをかるたに注ぎ込んでいた彼がどうして?


楽しみに待っていましょう。
では。