きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

ちはやふる 第10回 『ゆくもかへるもわかれては』


梅雨。夏がやってくる直前の冷たい雨が降りしきる中で、全国高等学校かるた選手権の東京予選がはじまった。ようやくメンバーを揃えた急ごしらえの瑞沢高校チームだったが、全員が着物と袴に身を包んで士気だけはどこにも負けないほど高く見えた。そんな気合いの入った見た目に恥じない戦い振りを見せてリーグ戦では全勝を果たした彼らだったが、午後の決勝トーナメント前の昼休みに、事件は起こった。机くんの出場ボイコット宣言である。彼らは、未だチームとしてまとまってはいなかった。


おめでとう、かなちゃん!



初勝利はうれしいよね。なんだってはじめてはホントに感動する。
ついつい周りが見えないほどにはしゃいでしまうのも仕方が無い。だって、うれしいんだもん。


でも、そんなときです。
夢のような幸せの中に漂っている彼女に冷や水を浴びせるような言葉が……。



たまたま一勝できたからって調子に乗るなよ!!




机くん……。
同期ではじめた子が勝利したのに、自分は未勝利のまま、っていたたまれなくなるよね。
まだ勝った子が神妙にしていれば収まりもつく。けれど、目の前でこれ見よがしに勝利を誇られたら、これはたまらない。
腹立たしいよ。ねたましいよ。ついつい心にも無い罵声を浴びせたくもなるよ。


そう、どっちも悪くない。
かなちゃんに机くんを馬鹿にするような気持ちなんかあるはずもないし、机くんだってホントは仲間の勝利を祝いたいはず。


もともと、試合に出るまでが早すぎたんだ。
4月にかるたをはじめたばかりなのに、6月にはもう全国を目指す猛者が集まる公式試合に出場だもの。
他校の生徒たちが、それを知って「かるたを舐めているんじゃないか?」と思うこともまたムリが無いと思う。
ほとんどの選手はそれぞれ長い練習の経験をした上でレギュラーとして参戦しているはず。


本来はそれが正しい。
だって、大きすぎる実力差を見せつけられて、それを発憤の材料に出来る子ってごくごく一部だよ。ほとんどの子はそこでやる気を失ってやめてしまうよ。考えてごらんよ。実力のある相手と戦うのが上達への早道だからと言って、本気のプロと小学生が戦って、なにか小学生に得るものがあるかな? ないよね。まだ、相手がプロならば「プロだし勝てなくて当たり前だ」と自分に言い聞かせることも出来る。それが高校の試合となれば、相手は全員が自分と同じ高校生なんだよね。年齢も立場もほとんど変わらない相手に、完膚無きまでに叩きつぶされたら……ねぇ。



全国大会で綿谷新に会いたいから数合せにボク達を入れただけだろ?



次いで、腹立ち紛れに机くんが千早に放ったこの言葉。
それが真実かどうかはさておき、そう思われても仕方の無い態度を千早がとっていたことことがあるのは確かだと思います。そして、千早自身にもそれが思い当たったからこそ大きく動揺したままトーナメント戦の初戦に臨み、終盤まで劣勢を強いられることになったのです。ちはやふるを落としてしまうほどに。


机くんが欠席したまま4人で開始した初戦。対戦相手の冨原西高はチームワークの力で個人の実力以上の力を発揮して瑞沢高校チームを苦しめます。うまくいっても失敗してもお互い声を掛け合い士気を高め同時に相手チームに大きなプレッシャーをかける。野球ではベンチの補欠メンバーもプレイヤーの一部だと言われますが、かるたの団体戦でもそれと同じようなことができるんですね。



── いまの瑞沢高校チームはチームなんかじゃない。ただ個人が5人いるだけだ。




太一はここで大切なことを学びました。はじき飛ばした札をゆっくりと拾って席へと戻る途中に、一人一人の頭をぽんっと叩いてやさしく声をかけていきます。



「西田、まずお前が勝ってくれ。それでみんなが楽になるから」
「大江さんも粘ってるじゃん! いま一番調子いいよ。勝てるよ」
「千早……お前は息をするだけで勝てる



千早は大きく深呼吸をします。
そして、ようやく自分の目の前にいる対戦相手がどういう人かを知ったのです。


現在、相手の陣地にはもう札は2枚だけ。その差6枚。


だけど、息をした千早にとって、そんな差はハンデにもならない……。



形勢は逆転しました。千早の一枚奪取からみなが声を出し励まし合い敵にプレッシャーをかけていきます。やっていたことをそっくりとやりかえされた冨原西高がうろたえている間に、勝敗はどんどん決していきます。
太一と肉まんくんの勝利で勝ち2、不戦敗*1とかなちゃんの負けで負け2。勝利の行方は千早に委ねられ……。


がんばれ綾瀬ぇぇぇ!!!


こっそりと部屋の外から試合の様子を見ていた机くんが感極まって大声を上げたその直後。千早は6枚差を覆して瑞沢高校に勝利をもたらしました。そう、チームに勝利を。





△▼△



試合のあと、机くんはかなちゃんにお祝いの言葉を贈ります。


初勝利おめでとう





チームのみんなに深く頭を下げて謝ります。


ゴメン。もう一度一緒にボクも!!



経験の浅い分はチームワークでお互いに補っていけばいいじゃないか。いくしかないじゃないか。
うん、そういうのも、アリなのかもしれませんねぇ。




△▼△


泣いたわぁ……マジでキたわぁ。
ばらばらだった5人が1つのチームになりましたよ。酷いことも言ったし、すれ違いもいっぱいあった。それでも、いやそれだからこそ、彼らの繋がりはより強固なものとなるはずですよ。


それにしても、太一すごいです。高校生とは思えないほどの人格者です。
かなちゃんと千早に怒鳴った机くんを見て「あいつは悪くない」なんて言えませんよなかなか。
肉まんくんみたいに「あんなやつもうどうでもいいよ」がふつーの反応ですよ。


すげーなぁ、ホントに。


ふー。うん。そんなとこかな、今週も満足です。
来週も楽しみですねぇ。


では、また。

*1:ボイコットした机くんの分