その日、無店舗の輸入雑貨商を営む井之頭五郎は、顧客にフランス製のティーカップを届けた其の足で、とあるアーリーアメリカンの雑貨店を訪れた。以前より開店を考えている自分の店のイメージ作りの参考にするための見学にやってきてはみたものの、残念ながら今ひとつぴんと来るものがない。一通り見て回り店をあとにしながら、やはり「男は体一つ!」と、あっさりと開店計画を白紙に戻してしまったようだ。




おなかが空いたな。うん、せっかくここまできたのだから、と、彼はいつものように自分の勘を信じて近くで美味しそうな店を足で探してまわる。『昔ながらの美味い店を探すなら川の側を攻めるべし』 持論に基づき隅田川の支流に向かって歩いて行く彼の目の前に、果たして料理屋の集まった横町が現れた。
今回、井之頭五郎が自身の勘の冴えに満足しながら選んだ店は、焼き鳥屋さん。さて、実際に食べてみてお味の程はいかに。



まるで、CS放送で見た昔のドラマみたい*1
他のドラマでよく見かけるようなオサレな東京じゃなくて、若者やお金持ちのたまり場からちょっと外れて歩けばどこにでも見受けられるような普通の実に泥臭い東京と言いますか。そういうところ好感が持てました。
そして、絵作りもなんかおもしろいですよね。色が、うん。このへんもあんまりきらきらしてないっていうか、ムダに明るくないですよね。なかなかいいかもしれない。


さて、ドラマの雰囲気は悪くありませんが、マンガの井之頭五郎と役者さんが演じる本作の井之頭五郎とのギャップは無視できないほどに大きいです。これはどうにもならない見た目の問題を無視したとしても、たとえば独り言から感じられるイメージのギャップは果てしなく大きいものでした。




そうですね……マンガの方のゴローちゃん*2には会社勤めをしていない人に特有の、実年齢以上に若々しく感じさせる雰囲気が備わっているんですよね。それに対して、ドラマのゴローちゃんは、もろにサラリーマンっぽいんです。


結論として、原作通りのゴローちゃんを期待してこのドラマを見ると、必ず裏切られることになると思います。
でもこれはこれでというアレでしょうか。
悪くないんじゃないかなぁ、と。


そういうものだと割り切ればいけると思います。
わたしはキライじゃありません。


さて、お料理の紹介ときたら、これはさすがにマンガでは対抗が難しい分野ですよね*3。見てください、こんな深夜によだれを誘うおいしそうな料理の数々……。





お正月でまたちょっと体重計に乗りたくない状態の自分にはひたすら拷問に等しい長い時間にも感じました。がんばってますね。ホント、明日にでも出向いておなかいっぱい食べてみたいくらいに。



だいじょうぶ。そんなときにはお店へのアクセスや注文したモノのお値段まで、懇切丁寧に教えてもらえます
そう、ドラマのあとにはマンガの原作者の久住昌之さんが舞台となったお店を改めて訪れるコーナーが続きます。


ここでわたし、びっくりしたんですよね。
あれ? ドラマで演じてた女将さんって、ホントのお店の女将さん?


違いました。
久住さんもこのコーナーで言っているようにそっくりなんですよね。体格が似ているからか、声までそっくり。
おもしろかったですね


……おもしろくはあったんですよ?、でも、なんかなぁ。
そういう料理探訪番組みたいなことはあんまりなぁ。このコーナーは無い方がよかったんじゃ?



ま、そういう不満もありますし、前述したゴローちゃんのイメージ違いの件もあるし、手放しで褒め称えることはぜったいにムリです。だけど、そうね。少なくとも、来週も見てみるつもりになるだけのものはありました。総じて及第点じゃないですかね。


そんなわけで、また。
まあ、これは来週に感想を書くかどうかわかんないけどね。見るは見る。

*1:言うまでもなく画質は問題にならないほどこっちの方がいいですが

*2:井之頭五郎をわたしはこう呼んでます

*3:原作マンガの作画担当の谷口ジローさんの絵は相当に高レベルでわたしは大ファンですけれど