きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

夏雪ランデブー 第04回


今日は楽しいデートの日。それも前回のラーメン屋のようなニンニク臭い色気とは無縁なスポットとは大違いの、いかにも恋人同士が腕を絡めてキャッキャウフフと歩くのにふさわしい遊園地が舞台です。花屋敷だけど。
今日こそはキメるぜ! だって、ここのところの六花はほとんど落ちているも同然じゃないか。幽霊の邪魔さえ入らなければ楽勝だよ。そう思う亮介だったが……そんなことはすべて六花はお見通し。伊達に30年も女をやってきてはいないのでした。


六花さんが楽しそうです。まるで若い燕を手のひらでもてあそぶ有閑マダムのようにも見えます。
それは、おそらく大きく外れてはいないでしょう。自分よりずっと若い青年が、少年のような一直線な純情をひたすらに絶え間なく射かけてくるんです。わたしという女に心底夢中になっているんです。そんな、気を惹きたくて必死の男の子を横目で見ながら、あそこがこんなふうに夫と違うな、と比べて余裕たっぷりにほくそ笑んで楽しんでいるわけです。


いやマジでうらやましい。これぞ女冥利につきるというものでしょう。まさに此の世の春を謳歌している気分に違いありません。



対して、まだ亮介は22歳です。
女の子とつきあったことがないわけでもないでしょうが、こんな年上の女性をどうこうするには若干経験値が足りないといったところでしょうか。
暖簾に腕押し糠に釘。大逆転の一発を狙ったボディブローもむなしく空を切り、いままで通りの『恋人直前』の距離を詰められないでいます。


結局、そういうことなんですよね。
六花はいまを楽しんでいる。夫の存在が心の中に大きいまま、自分の女を再確認して喜んでいるんです。ずばり言ってしまえば年下の男の子をもてあそぶ快感に酔っているんですね。少なくともいま現在は亮介を本気で男と見ている様子はうかがえません。


俺とセックスできますか?


進退窮まる亮介が焦って放ったぶしつけな質問に、六花は笑いながら「ムリ」だと応えています。
これ、心底本気だと思いますよ。亮介に対する彼女の思いは、このやりとりにつきると思えます。



さてさて。
いよいよ自分の目論見が甘すぎたことに気づいた亮介は、心の底からわき上がるどこにもぶつけようのない腹立たしさや恥ずかしさを、お酒への逃避と変換してしまいます。そんなべろんべろんに酔ったまま花屋へやってきた彼を出迎えたのは、誰あろう、生前は彼女の夫だった篤です。妄執に取り憑かれた悪霊らしさを遺憾なく発揮した篤は、正体不明の亮介からこれ幸いと“同意”を得て、ついに体を乗っ取ることに成功してしまいます。


悪霊は、久しぶりに得た生きた生身の肉体の感触に感動しながら、何年も目の前にあったのに指一本触れることがかなわなかった愛妻のほほを優しくなでるのでした。


ん。亮介くんどうなるでしょうね。酔いが覚めれば体の支配は取り返せるのかな?
その前に関係を持っちゃったりするのかな?
あれ? その場合って、どっちとしたことになるんだろうね。
六花側からじゃなく亮介側から見た場合も、どう思うのか気になるかもね。


そんなわけで、また来週。