主人公・桃園奈々生(17)は花も恥じらう女子高生。整った顔立ちに優しい心持ちの誰にも愛されそうな女の子だが、残念なことに肉親にだけは恵まれていなかったようだ。ある日突然、父が借金を作って蒸発したことをきっかけに、彼女はホームレス女子高生へと転落してしまう。そんなとき、途方に暮れていた彼女の前に、謎のイケメンが現れた。<ミカゲ>と名乗ったその男は、帰る家を失ったという菜々生に、自分の家を譲ると言いだす。走り書きの地図を手渡され、半信半疑のままミカゲに言われるままに譲ってもらえる<家>へと向かった菜々生は、そこで自分が、ミカゲに土地神様の身分を押しつけられたことを知る。


当たり! おもしろい!


どれだけひどい目にあっても決して人助けを忘れることなく、明るく正しく前向きに生きる菜々生ちゃんが好きです。
なるほど、少女漫画原作っぽい何様キャラの巴衛もよし。御付の二人の妖怪はまあ、それなりとして、第一話目の顔見せ回としては最高のできだったと感じます。



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ミカゲから譲られた力は、菜々生の耳へ神社へ参拝しにくる人々の心の声を届けます。伝わってくる切実な思い、願いは、彼女に自分に与えられた責務の重さと、それを主である土地神不在のまま一人で背負っていた巴衛の重圧をひしひしと感じさせるのです。菜々生は、にわか神様の自分がここにいることを申し訳なく思うとともに、とてもつとまる仕事ではないと実感します。土地神様は、やっぱりやめよう。ここは自分なんかがいていい場所じゃないんだ。
だけど、最後に、巴衛に挨拶だけはしていこう、と、あやかしの世界へと足を踏み入れるのです。


そして……キスですよ、キス。主従契約のキス!
いいなぁ、このキス。すっごく好き。いいシーンだと思った。


ホントはするつもりなんてなかったけれど、このいけ好かない巴衛って男に頭を下げるくらいなら、キスくらいしてやる! って、彼女の思考はよくわかるんです。こういうのあるんですよ、自分が不利になるのはもちろんわかってる。謝った方が得、謝らなきゃダメ、わかってるけど、ぜったいにやだ。理屈じゃない、魂が受け付けない。思えばわたしもそんなんでどれだけ損をしてきたことやら。でもねぇ、改められるものじゃないんですよ。




巴衛! わたしを助けなさい!



かくして、菜々生は土地神さまになり、巴衛はその神使となったのです。めでたくもありめでたくもなし。


さて……予告を見れば、来週も魅力的なキャラが続々登場してきそうな予感です。うん、楽しみだ。
では、また。