誰もが待ちに待っていた夏休みに突入した昼寝部一同+一色誠のメンバーは、海の近くの六花の実家へと泊まりがけで遊びに行く事になった。マイペースなくみん、ハイテンションの一色、相変わらずの凸守と丹生谷を尻目に、勇太の視線はいつもとは異なった意味で様子のおかしい六花に向けられていた。


凸守が電車で乗物酔いに悩まされたほかには何事も無くたどり着いた六花の実家では、彼女の祖父母が暖かく出迎えてくれた。祖父母? 両親はいないのか。今まで知らなかった六花の一面に触れた勇太は戸惑いを隠せないまま、それでも六花の味方でいようと彼女を気遣うのだった。


夏だ! 海だ!! 水着回だ!!!


冬だっての。



日中はまだ耐えられる。でも朝方の冷え込みときたらお布団から抜け出すのに勇気がいりすぎ!
そんな季節に真夏の話。1クールアニメの宿命というやつでしょうか。


さて、今回は邪王真眼の奥に隠された六花の葛藤のお話。
彼女にとって、三年前に父が亡くなったのは、青天の霹靂でした。これが事故や事件であれば誰にとってもそうでしょう。しかし、そうではありません。余命の宣告を受けたなんらかの病気での死でした。
ちょうど、TARI TARIでの和奏の母の時とほぼ同じです。優しさや思いやりから出たうそ。娘に長く悲しみを与えたくないと思った慈しみからのうそ。それが逆に長い後悔を娘に強いてしまった事は、どちらの親にしても不本意であり悔やんでも悔やみきれない“失敗”だったのでしょう。


知っていたら、もっと優しくできたのに。
知っていたら、もっと思い出が作れたのに


確かに、この世の中には知らない方がいい事もあるかもしれません。知っておくべきことであっても、いますぐに知る必要はないことも多いのだと思います。
だけど、決して知りたくないとってもつらい事であっても、いますぐ知っておいた方がいい場合もままあるのです。


わたしは、TARI TARIのケースも今回のケースも、伝えておくべき事だったと信じて疑いません。


そして、彼女の姉がやろうとしていることもわからない。
あ、いえ、何をしようとしているかはわかるんですが、なんのためにしようとしているかがよくわからないんですよ。
父親の死を未だ認められないでいる妹の目を覚まさせてやりたいならば、もう家族で過ごした家は存在しないことを見せつけてやればいい。なのに、それをかたくなに妨害しようとする。
そもそも二年前に六花を残して家を出ている以上、その後一人になった彼女がいくらでもそこへ行く機会はあった。なぜいま急に? いまだからこそならば里帰りをしなければいい、させなければいい。謎が謎を呼びわたしの混乱は収まりません。


あるいは……じゃまをしていることはポーズで、自分の制止を振り切った上で勇太とともに認めたくない現実と向き合って欲しい。こんな策略でしょうか?
それならわかります。さすがなんたらのプリーステス! と膝をたたくところですがはてさて。



あとは、モリサマー。
あの子ホントに人間ができてますね。おばちゃんくさいと言われていたとおり、高校生の物腰じゃないですね。
わたしも友人の田舎に遊びに行った事は何度もあります。ですが、お土産持参であんな立派な態度は取れた記憶がありません。なんやかやと凸守をかわいがっているところもほほえましいし、一色との硬軟取り混ぜたからっとしたつきあい方も好感が抱けます。


やっぱ、いい子ですね。うんうん、キライじゃないです。


では、また来週。