野狐だった頃の巴衛が龍王の眼を手に入れた目的は、その魔眼の力が恋人の病の特効薬となるためだった。それを知ってしまった菜々生には、とても眼を持って帰る事などできない。だが、それでよかったのだ。いまのツケを過去に払わせる事などしてはいけないのだ。そう、いまのツケはいま、払おう。


そういえば、過去の世界で出会った妖怪の磯姫が気になる事を言っていた。たしか、菜々生の体の中に龍王の眼が、とか……?


今回はホントに内容が濃くておもしろかった!
緩急とりまぜた激マジからおちゃらけまでバランスよくちりばめられたストーリーの構成もさることながら、なにより千変万化の菜々生ちゃんの心の動きがね、とってもよかったよ。


とことんお人好しの菜々生。
誰かを犠牲にして自分を通す事など想像もできない。


自分より誰かの菜々生。
30年の寿命を代償に払ってまで巴衛を救おうと考えてしまう。


自分に自信の無い菜々生。
こんなかわいくない自分が巴衛に好きになってもらえるはずがない。


── そして、なによりとっても菜々生らしい菜々生。
もう、報われるのを待ったりしない。振り向いてくれなくてもいい。振り向かせてみせるから。


菜々生にそれに気付かせてくれた龍王の妻・亀姫の言葉がとってもステキだったんですよ。
夫のために7日間かけて仕上げた見事な刺繍の羽織を無くしてしまっても、こともなげにこう言うのです。




会えなかった夫を思っていられたこの7日間とても幸せでした



恋する乙女の顔で言うんですよ。かわいいの!!
『かわいい女の子』って、年齢じゃないんですよね。それがよくわかりました。


そして、新たな神使も誕生しましたよね。瑞希くんです!
契約のキスですよ、菜々生ちゃん二度目のキスも相手は人外です。まあイケメンだからいいか。いいのか?
どうでもいいですけど、男子向けマンガだったらこれもうビッチ認定かもしれませんねえ。めっさ基準が緩いし。


瑞希は主に縛られる事に快感を覚える変態忠実な僕のわけですけれど、愛する人に縛られたいって気持ちはわからないでもないですよね。自分がその人のものだって感じる事に喜びを覚えるのは共感できます。


何はともあれ、龍王との和解は一応の成立を見て、さらわれていた巴衛は戻ってきました。


さあ、菜々生と、巴衛と、瑞希で、一緒におうちへ帰りましょう。
めでたしめでたし。


過去の巴衛が愛していた雪路が飲み込んだはずの龍王の眼が菜々生の体に宿っていたという事は、菜々生は雪路の生まれ変わりとか、そういう設定なのかしらん? まあラストまでにそれは明らかになるかな、うん。原作を読むのはその後にしよう。


そんなわけで、また来週!