他人の恋愛話が三度の飯より大好きと見える鈴木梨香に目をつけられてしまった恵美と鈴乃は、彼女に流されるままにここ幡ヶ谷へとやってきた。梨香の目的はもちろん、恵美と鈴乃が所有権を争っている(と勘違いしている)真奥をその目で見定めることだ。

作戦会議(謎)のために三人が入ったセンタッキーフライドチキンにたまたま居合わせた芦屋の機転により、梨香が思い込んでいた真奥を頂点とする三角関係への誤解を解くことには成功したものの、それだけで彼女の好奇心をぬぐい去ることはできなかった。むしろ真奥への興味はいや増したかもしれない。

かくして、芦屋を加えた四人パーティは、意気揚々と真奥が時間帯責任者を務めるマグロナルドへと乗り込んでいくのであった。


芦屋さんの現状把握能力、そして、説得力のある作り話の才能
さすがは魔王軍の作戦参謀と言ったところでしょうか。わたしにはとうてい真似のできなさそうな超絶スキルでした。
まず、梨香や恵美の要領の得ない口ぶりから、彼女らがどうしてここにいるのか瞬時に把握しているのが驚きです。神の視点ですべてを見ているわたし達視聴者ならともかく、現状へのつながりをこれっぽっちも掴んでいないはずの彼がいったいどういう脳内回路をたどって結論へと自らの理解を導くことができたのか、想像だにできません。
そして、その理解から梨香に話すべきと判断した、自分たちと恵美との関係をこの世界風にアレンジした身の上話がまた、見事の一言です。
恵美の仕事により真奥を社長とした若い建築会社が倒産の憂き目にあったこと。ぼろアパートで再起を誓い奮闘しているところに、かつての仇敵恵美と再会することになったこと。様々な思いが交錯している中で恵美は自分たちの様子を頻繁に見に来ていること、なにより、真奥はそれらの過去から恵美に対して恋愛感情のようなものを抱いてはいないと言うこと。


すばらしい。本気で感心しました。その話を聞いていていろいろわかったこともあります。
なんていうかね、魔王軍っていままでのあらすじで見た映像で抱いた印象ほどは、圧倒的だったわけじゃないんですね。それはそうか、だから勇者とその一行に魔王が追い詰められるほどになったわけだ。個々の戦闘力は強くても魔王軍は人間の国と渡り合えるほどの国力はなかったのかもしれませんねぇ。


戦いは数だよ兄者」とは誰のセリフだったでしょうか。
つまりは、宇宙世紀でも剣と魔法の世界でも戦の真理になんら違いはないわけでしょうか。ええ、誰のセリフか覚えてんじゃん、とか言われそうですが。


そんな感じ。
今週もちーちゃんは乙女かわいかったです! 鈴乃ちゃんもいたいけでよろしかったです。恵美さんもはすっぱなOLっぷりが板についてきましたし、お友達の梨香さんもうざいほどのミーハー野次馬で好感が抱けました。


ラストの……なんだったんでしょうね。真奥が用意した七夕の笹から漏れる紫色の光、煙? というか気配というか? それによって客寄せの魔法?が発生していたようですが……ただ一人、鈴乃を除いて誰も気付いていなかったのかな。
真奥の客を増やしたいという潜在意識が無意識に放った魔力かとも思いましたが、仮にも魔王ならそのくらいには気付きそうだし、そもそもそんな魔力自体が今の彼には残っていないかな。となると紫なのもあるし、こないだの恵美を襲った相手絡みか。うん、そっちかも?


と、次回が気になる引き。
また来週。