その日、学活中にもかかわらず黙々と手芸の内職を続けていたのは、普段は一番後ろの席に目立たずひっそりと鎮座しているいるアルパ子さんでした。なんでも目前に迫った『手芸甲子園』への出品作の制作に遅れを来しているそうです。


いや、その理屈はおかしい。


そう、だからといって内職を容認することに対して最も納得できないのは、野球部の長峰くんに違いありません。第6話目のお話で部活は部活、学活は学活と話がまとまった結果、レギュラー選抜テストに間に合わなくなってしまった経歴を持つ*1彼です。アルパ子さんの活動だけ特例として認めるなど断固として承服しかねる! 至極当然の発想だと思われます。


委員長、決とって。


それなのに、あろう事か、アルパ子さんは「この学活をクラス全員で自分の手伝いをする時間に充てる」提案をぶち上げます。賛否両論喧喧諤諤の教室内、さすがに一瞬鼻白む委員長。
が。


決をとります。


民主的』手続きにめっぽう弱いのが、我らが高千穂ちほ委員長のような議論好き&詭弁マスターの大きな特徴なのです。どんな理不尽なことであれ“民主的”な投票の結果であればそれは『正しい』ことなのだ、と……いうわけでもないんですけどね。


往々にして、現れた結果が自分の納得できるもので有る限りはこの通りなのですが、そうでない場合はそうでない行動に走る事がまれによくあるのが困りもの、でしょうか。


現実の我々の世界でもそうですね。
前々回の選挙で一つの政党が圧倒的多数を取った結果も、前回の選挙で一つの政党が圧倒的多数を取った結果も、決してその数ほどにいい流れを作ってはいないとしみじみ感じる今日この頃。


万雷の拍手の中で民主主義は死んだ」とはスターウォーズの中で最も印象深く残っているセリフです。なにごともバランス感覚が大事なのですよ、いや実際。


そんな薄汚い世界の話はさておき。
今回の学活での賛否を問う話し合いはけっこうな見ものだったと思います。賛成派、反対派ともに最後まで活発に意見を出し合い、その帰結としての採決……これは確かに民主的だとわたしも感じます。
いいですか、民主主義と数の暴力は違うのです。ここも大事ですよ。


……のはずだったんですよね~。
でも、ガッ活! がいい話だな~、って、終わるわけないですよね~。


こわい。
強硬な反対派が一人、また一人と消されていくのです。
最後には、高千穂ちほ、その人まで!


採決は曲げられました。
アルパ子さんは力で票を動かすことに成功したのです。


それはそれとして、彼女は手芸の天才ですね。クラス全員分の1/1ぬいぐるみ*2を超絶クオリティで作り上げた上に日本一の栄冠をその手にしてしまったのです。



しゅげえええええええええええ!!!


はい、これが一番言いたかった。
これだけ一番言いたかった


隠しません、事実です。
では、また。

*1:今回の彼を見る限り、そのあとレギュラーが取れたのかもしれませんね

*2:編みぐるみというべきか