艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 内田弘樹,「艦これ」運営鎮守府,魔太郎
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2014/02/20
- メディア: 文庫
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がんばったことがうまくいったとして、あるいは失敗してしまったとして、その場合に『幸運だからうまくいったんだよ』と言われるのと『不幸だから仕方ないよ』と言われるのでは、まず全員が後者の方が受け入れやすいことでしょう。
被害担当艦と揶揄される姉の翔鶴。
今回のメインキャラである五航戦姉妹の二人も、そんな評価と戦い、あるいはあきらめていました。
そこは、第二次世界大戦の起きなかった世界だけれど、海は決して平和などではありません。海の支配権は深海棲艦と呼ばれる謎の艦隊に半ば握られつつあり、シーレーンを分断して各国間での流通の妨害を繰り返しながら、敵は日に日にその勢力を増しているのです。
人々の絶望は深まるばかりで、思いあまった軍上層部は、我々から見ればオカルトにしか思えないような、艦娘の『運』に相当するステータス*1を重視しての戦略を開始。実際に幸運と思われる艦を練度や装備を無視してまで重要な作戦に投入するほどに、追い詰められているようです。
つまりは、別世界、というか異世界、パラレルワールド、ですね?
そこに旧日本海軍の軍艦たちが女の子の姿をとって転生する設定のようです。
アレですよ。
的な、女装ものやTSものにつきものの、かわいらしく生まれ変わった自分の姿への驚きを感じて艦娘たちは目を覚ますわけなんですよ。これは萌えますね!!
△▼△
で、ですね。やはり『提督』がいる*2と難しいですね。
どうしてもわたしは評価が辛くなっちゃいます。
本作で言えば、
- セクハラ魔王と冷徹な軍人との中間が見えない。
- ただのいやな奴になっている
このへんを強く感じます。
それも含めて、イマイチ、世界観のすりあわせというか、提督や旗艦クラスの艦娘が時折見せる非情さが、艦これの世界に馴染んでいないように思えるんですよね……でも、なんだろうな、ぴったりきていないのは否めない、そう思うんだけど、なかなかこういうのは他にないんですよね。
と、そう言わざるを得ない立場であっても*3、これを言える提督キャラって、あんまり見ない気がしますよね。
そういう点では、とっても好きです。はい。
これも続き物なのかな。
ラストの方で新キャラの登場と共にこれからの展開を期待させるような、予告的なエピローグになっていたですね。
ん、そんなところです。