『ハッピープロジェクトへの参加はとりあえずゴールデンウィークまで』とした、白崎と筧の約束の日が近づいてきた。
筧にとってこのわずか数日の間のできごとは、今まで感じたことのない楽しさとうれしさに包まれた充実した密度の濃い日々だった。
それでも、彼は思う。
確かに楽しい日々だった。でも。
── もう、充分だ
と。
今回の作画への力の入りようと言ったら驚くほどです。
毎回一定以上の安定さを見せている本作ではありますが、その中でも今回は突出して美しく見えました。
あるいは、このコスプレシーンの数々とか。
それらシチュエーションがもたらすスパシーボかもしれませんが、わたしがそう思ったのならそうなんだろう、わたしの中ではな!!
というわけで、我に返りましょう。
わたし、わかるんですよ。筧の気持ち。
すごい楽しいんです。うきうきなんです。
友達と話して、一緒に遊んで、また明日ね、って別れて。
……別れて、一人になると、ふと襲ってくるんです。
とてつもない虚無感と、耐えがたい疲労感が。
今日は楽しかった。だけど、やっぱり一人がいい。
そう思っちゃうんです。
筧はおそらくハッピープロジェクトを抜けるつもりだったんでしょう。
白崎や、他のみんなに不満なんてないんです。
よくして貰っているし、一緒にいればこれからも毎日楽しいに違いない。
一人きりで本を読んでいるだけの毎日より、充実していることは間違いないとわかってる。
それでも、一人を選んでしまうのが、わたしらぼっちなんですよね。
とはいえ、彼に限って言えばエロゲ主人公ですし!?
そうなればヒロインたちが放っておくはずもないじゃないですか。
筧がこんな性格になった一因でもあるお誕生会をサプライズで開いてもらったことで、自分も変われると気付いた彼は、これからもハッピープロジェクトを続けることを決意したのでした。
とまれ、理想の実現って、嘘をホントにしようとする努力なんですよね。白崎のがんばりはそれを忘れかけていたわたしにも力をくれましたよ。
そんなわけで。
まだ言い足りないこともいっぱいある盛りだくさんの第四話目でしたが、今宵はここまでに致しとうござりまする。