羊飼い771号こと〈ナナイ〉と名乗る謎の紳士に魔法の図書館へと連れて行かれた筧は、そこで“羊飼い”の真実を知らされる。
素質を見込まれてナナイに「キミも羊飼いにならないか」と誘われた筧だったが、驚きの大きさと少しの気がかりから即答することができない。


一方で、もう一人の羊飼い候補者の小太刀は気が気では無かった。
ナナイに大きな期待を受けている筧が、もしかしたら自分の頭を飛び越えて先に羊飼いになってしまうのではないか。


その不安感は、筧とペアを組んで初めて取り組んだ仕事の失敗へと繋がる。


羊飼い771号……。


何人いるんだよっ!!!


や、わたし先週に筧と小太刀がナナイの後継者候補なのかな、って予想してたんですけど。

後継者じゃなくて後輩というか同僚というか、とにかくめっさ多いな?
よくそんだけ集めたな?

初っぱなから吹き出しましたもの。


さて。


なにやら、とっても、いやな空気なんですよね。

ハッキリと具体的にナナイらが言ったわけではないのですが、おそらくは羊飼いに求められる資質の一番大きなものとして、他者との接触を最低限に保つ姿が挙げられていたと思うんです。


筧も、そして小太刀も、幼い頃に虐待を受けていたと見受けられる描写が時折挟まれています。

そこから、人間不信になり、友達とも常に一線を引いて、特別な関係 ── 親友や恋人 ── に陥ることのないように自ら退くような、きびしい言い方をすれば、人付き合いに関して臆病になっている若者を拾って羊飼いへと育て上げようとしている、ような?

そんな感じがとってもいや。


糅てて加えて、小太刀に至っては、それを十分に理解した上で、唯一の逃げ場が魔法の大図書館だと思い込んでしまっている。

図書館の住人となるために、羊飼いになるために、好きな男子のこともあきらめて……ちがうな。自分は恋なんてしない少女なのだと自分に言い聞かせて、たった一つの道からはずれないように必死になっている。


多くの道からよりよい道を照らして導いていこうとする羊飼いの理念とは、大きくかけ離れた生き方と言えるかもしれない。

もちろん、他のどんな生き方、職業を選んだとしても、多かれ少なかれそのような部分はあるものでしょうけれど。


ともあれ、ヒロインたちが隙あらばとフラグを立てようと待ち構えている中で、ことごとくその旗を折り、引っこ抜き、踏みつけていく筧のある意味男らしさ!

これぞ全ルート制覇を目指したエロゲ主人公の姿と言えましょう。


……あ、そういえば、羊飼いの仕事の選択肢分岐の管理とか、まさにエロゲ上級者の得意とするところなのかもしれませんねぇ。

念のためここで改めて繰り返しておきますが、わたしにはエロゲプレイ経験はありませんので……ええ、マジです。


えーっと、今回はあんまり和めなかったかなぁ。
そのためかな? 無駄に色気を振りまいている子が目立ったのは。


来週に期待しよう、うん。