神とは総じて鷹揚で懐の深い存在だと信じ込んでいた菜々生だったが、『神堕ち』と呼ばれる元は神であった妖怪に神議りへの参加辞退を迫られたことから、人間の身の自分が神の世界へと足を踏み入れることを快く思わない神が少なからずいることを知ることとなる。


自分と同様に、元は野狐である巴衛も、神議りに連れて行けば冷たい視線を浴びることは間違いない。


そう考えた菜々生は、巴衛に留守番を命じて瑞希をお共に出雲へと向かった。




まあ、直接的に現存の宗教に繋がらない多神教の神様って、たいがいが、たいがいですよね。

日本の神話もそうですし、ギリシャ神話の神々なんてモラルのかけらもありゃしない変態ばっかりときてます。

近親相姦大好きですもんねぇ、神様って……。


……ともかく。


そんな神様たちに軽い失望を覚えながらも、自分に与えられた責任を果たすべく巴衛も連れず遠い出雲の地に出向いた菜々生ちゃんを待ち受けていたのは、想像を遙かに上回る八百万の神々たちの“歓迎”です。

多くの神々にそしられさげすまれないがしろにされたあげく、闇の中で道に迷ってしまった彼女の足下を照らしたのは、誰あろう……“謎のチョウチョの男性”でした。


会場の扉の前で立ちすくむ菜々生に、そのチョウチョは優しく語りかけてきます。


神も万能ではない。
 誰にでも得手不得手があって、それに応じた役割がある



キミにだって誰にも負けないキミにしかできない役割がある。
 それは、誰よりも人間の目線で感じ考えられる立場であること。
 誰憚ることなく胸を張って神議りに参加すればいい


懐かしさすら感じさせるやさしい蝶の声は、縮こまって怯えていた菜々生ちゃんの心を暖かく溶かしていくのです。



遅くなって済みません。ミカゲ社、桃園菜々生、ただいま到着しました


たくさんの冷たい視線に射貫かれた中でなお、ひたむきで曇りのない瞳を精一杯そらすことなく、澄み渡ったよく通る声でしっかりと挨拶をする彼女を一瞬で見初めたのが、御簾の向こうにおわす〈大国主命〉なのでした。

ああ、ホントに菜々生ちゃん、神様殺し……。



あ、そうそう。

美中年(?)・美青年・美少年ときて、いよいよ元気系ショタ小僧もメインキャラに登場です。

なるほど、早産の猿式神を雄と設定したことで、小猿の護が変化した姿は幼くやんちゃな男の子になるわけですね。


わたしはあんまりショタ属性は……ないこともないこともないことも……。


ん。
魅力的なキャラが増えてくれるのは歓迎ですね。

では、また。