今日は戦士達の休息の日。
彼らにとって、すでに日常とは戦いの日だ。
久しぶりに余暇を楽しもうにも、そのやり方を忘れてしまっているほどに、毎日ゴブリンと命のやりとりを繰り返していたのだった。
それでも、各々が思い思いにつかの間の平和を謳歌した、そんな大切な一日を過ごしたあとのお話。
ゴブリンスレイヤーと呼ばれるほどに通い詰めたダムローの街が、危険な状態へ陥っている事を知ったハルヒロは、新たな冒険の舞台をコボルドが支配するサイリン鉱山へと求めた。
だがそこは、かつてメリイが仲間を失った“想い出”のある場所だ。
できれば二度と近づきたくない。彼女はずっとそう思っている。
ハルヒロたちにもその気持ちはよくわかる。
それでも、彼女は強かった。
成長するために、今の自分を乗り越えるために、もう一度鉱山で戦うことはどうしても必要なのだと。
だけど少しだけ、彼女は弱かった。
乗り越えることは一人ではできない。信頼できる仲間たちに手伝って欲しい。ハルヒロたちといっしょがいい。
「こんな自分を仲間だと言ってくれたハルヒロたちと」
万全の準備を整えて、いよいよ鉱山へと足を踏み入れようとする彼らを待ち受けるものは、希望か絶望か、生か死か。
いま、新しい冒険がはじまる。