夏休みの宿題をまったくやっていないと胸を張る亜子の始末を兼ねたお泊まり会のために、四人は会長の家に集合した。ただし、女の子ばかりのお泊まり会にまさかルシアンが参加するわけにもいかない。
代わりにやってきたのは、事もあろうにリア充クイーンの秋山奈々子だった
この秋山さんってさぁ、ホントにリア充っぽいんだよね。
学級ヒエラルキー最上位ってイメージなんだよね。
なんていうかな、低位のオタの卑屈な態度を意にも介さず*1、同格*2の友達*3として悪気のカケラも無い笑顔*4で気安げ*5に接してくるところ?
わたしにも経験があります。要するに信じられないんですよ。
こんな天上人が自分のような虫けらを対等に扱ってくれるなんて!
ええ、卑屈なんでしょう。匹婦の愚物なんでしょう。
見下げ果てた天の邪鬼なんでしょう。
でもだって……それまでそんな扱いを受けてきたんだもの!
しょうがないじゃない!*6
△▼△
そんなわけで、今回はルシアンの出番は(ほぼ)まったく無し。
女の子だけでキャッキャウフフのぽろりもあるよ回でした。
恐怖の見どころは、リアルとゲームの区別がついていない半ば頭がおかしいと思っていた*7亜子の態度が実は女の子として筋道が通っているのではないか?? そう感じさせるものだったこと、でしょうか。
根っこの部分で繋がりのあるネトゲ部の二人だけならまだしも、再三言っているヒエラルキートップの奈々子にまで思わせてしまう説得力のある亜子の天然の一言こそは、ガチのみが身に纏っている狂気と背中合わせの真実味と評さずにはいられません。
ならば。
「ゲームのダンナがリアルで他の女の仲良くするのも浮気だ」
もまた真実ではないのか。
敢えて全てを言葉にすると、かえってどうともない一言が、亜子の深淵を覗いたものにだけは違ったものに見える……深淵を覗くものは、また深淵に覗かれているのだ。ぶるぶるこわいよママン!!
そんな感じ。
やっぱ、ホンモノって良きにつけ悪しきにつけ強いですよ。
コワいですよ。
いや、ホントに。