きわめて一般的な日常

きわめて一般的な日常を綴っていたはずなのですが、いつのまにかアニメやゲームの話ばかりになっていました

RAINBOW 二舎六房の七人 第22回 『Emergence』

emergence──脱出、羽化。実に得も言われぬサブタイトルです。毎回うまいなぁ。


バレモトが親も兄弟も親友たちさえ裏切ってまで添い遂げようとしたエリは、彼と駆け落ちしようと約束したその日に、他の男と示し合わせて娼館を逃げ出し、あろうことか、心中を果たした。



客観的に見れば、バレモトはたちの悪い商売女に騙されただけ。言ってしまえば愚か者以外の何者でもない、こっけいで憐れな道化。


でも、彼にとっては本気の恋だった。彼女に裏切られたことを恨みもせず騙された自分に悲観するでもなく、ただ、死を選ぶしかなかった悲しい境遇のエリを痛嘆するのだった。



幸せになれないことが決まっている人生なんて悲しすぎるじゃないか。
バレモトは叫ぶ。
俺は心中しようなんて思わなかった。二人で生きていこうと思ったんだ。


わたしは心中が本気で大嫌いだ。
なぜ死ぬ。死んでどうなる。生きてればどうにでもなる。戦わなくてもいい。逃げろ。逃げられずに自ら死を選ぶくらいなら誰を殺してでも生き延びろ! そうまで思う。だから、エリに同情はできない。率直にばかな女だとしか思わない。


でも、彼女にとっては、それが脱出だったんだろう。愛する彼と一緒に死ぬことが羽化だったんだろう。生まれ変わり羽ばたくために死を選んだんだろう。


……ばかげてるけど、それは、そういうものだと納得するしかない。


そういえば、なぜ、よりによって男と逃げる約束をしていたその日に、バレモトと他の場所で会うウソの約束をしたんだろう。まさかその男とバレモトを天秤にかけてどちらと逃げようか迷っていたわけでもあるまい。そこまで軽い気持ちで心中はしまい。


ならば、なぜ?


バレモトは、親友たちを引き連れて件の約束の場所へと赴いた。そして、焼け残った木に息吹く小さな芽を見つけたことを話す。



「その新芽から声が聞こえたんだ。エリさんの声で『生きろ』って」


まさか、そんなつもりでエリがバレモトをここに呼び出していたとは思わない。きっと、マリオたちもそうだろう。
だけど、それでバレモトががんばれるなら、いいじゃないか。
親友の愛した女をムリに悪女にすることはないじゃないか。


きっと、そう思って、なにも言わなかったんだと思う。




さて、来週はスッポン編かな。けっこう好きだね、スッポン。