とある夏の日の昼下がり。意気揚々と八百万堂へと走るゴン太の手には、商店街の福引きで当てた海辺の旅館のペア宿泊券が握られていた。しかしそこはヘタレのゴン太。柚子を誘おうといざ訪ねてはみたものの、うまく話を切り出すきっかけがつかめないのであった。
いきなり二人きりの旅行を持ちかけても断られるかもしれない。ならば繭の旅費分を自腹で負担して三人の旅行になったとしても、一緒に海へ行けるならそれでとりあえずは満足だ。


だがそこはヘタレのゴン太である。
いつの間にか彼の自腹負担は4人分になっていた……。



それだけお金を出せるのならば無料チケットになど頼らなければいいのに。
そう思ったあなたは甘い


映画のタダ券もらったんだけど今度の休みにどうかな?


とか基本でしょう。


わざわざ用意したわけじゃないよとアピールすることは、誘う側誘われる側双方にとって一緒に出かけることへのハードルが著しく低いわけです。軽くデートができるということは、その一回のみで次は無しとなっても、これまた双方にとってダメージが少ないわけですねえ。



ちなみに、最近はほらシネコンとかで全席指定が多くなってたりしますよね。それだとただ券作戦はなかなかやりにくくなっているもようであります。ミステリがケータイの登場で変化を余儀なくされたように、ラブコメも日々進化し続けなければならないのです。


……そういやケータイという連絡手段を塞ぐため「だけに」時代設定を昭和にしたりしてるような作品って、考えてみると少なくないよねぇ。ああいうのはなんかいやだね。卑怯だよ、うん。



△▼△


青い空! 白い雲! 澄んだ海に、行き交う水着の美女達!!



そんな、ごくごく平凡で健全な一少年*1の求めるごく普通のささやかな幸せすらあざわらうかのような、ひたすら雨あと風!




まあよし。明日には天気も回復するさ。なんだと? 台風が来ていてずっと雨?
ならば愛のために台風の一つくらい追い払ってみせよう!!


ムリでした。


やはり力に対して力で立ち向かうのはリスクもロスも大きすぎるというものです。


  • 台風をもたらしている颶風神の蓮美はネトゲ廃人である。
  • 洋上で台風を動かしながらのネットは不可能。
  • 廃人である以上は限定アイテム配信情報を流せば必ず家に戻ってPCにかじりつくはず。


ビンゴ!!
体を張って玉砕したゴン太に対し電話の一本で台風を消し去った繭の力……これぞ神格の違いでしょうか。


廃人は廃人を知るってだけか。



かくして台風の脅威は去り、柚子は新しい水着を皆の前に惜しげ無く披露することになったのでありました。


もっとも、ゴン太はムリがたたって寝込んでたから見てないけどね!!


でもキライじゃないよ。少年は真っ向勝負だよ!
小細工を弄するのなんて大人になってからすればいいのよ!




ちなみに今回のお話での水着シーンはわずか20秒ほどでした。
相変わらず時間の配分が謎のアニメです。マンガ原稿を見せる時間の方がずっと長いもんねぇ。
女湯のシーンすらないんだからこれはまた。


だから安心しなよゴン太! みんなあんまり柚子の水着を見てないよ!!


そんなわけで、では、また来週。

*1:神様ですけど