8月28日。坂町紅羽は16歳の誕生日を迎えた。
友人たちの心尽くしの手料理やプレゼントに、怒濤のごとく襲ってくるサプライズなイベントに。目を輝かせ心躍らせるまっすぐな少女のまるでひまわりのような晴れやかな笑顔には、彼女を祝う友人たちの方がうれしくなってしまうような抗い難い魅力があった。




そんな、一生の記念に残りそうな楽しかった誕生会から帰った彼女を待っていたのは、その日で一番の静かなお祝いの言葉と、その日で一番の大きなプレゼント。
世界で一番大好きでかけがえのない兄が贈ってくれた、その日で一番のサプライズだった。


実はなにげに今期のアニメで一番好きなのがこの『まよチキ!』だったりするわけです。そのわりにずっとスルーしてきたのは、同じ日にうさドロとアイマスがあるからという単純な理由……。まあたまには。もうすぐラストだし、と書き始めてみたものの、途中からいきなりってけっこう戸惑うなぁ。


ま、いいや。


誕生日を覚えていてもらうのってうれしいことです。


おめでとう



このたった一言で心があたたかくなってくるのは、きっと自分はこの世に生まれてきて良かったんだと無意識のうちにも実感するからだと思うんです。ましてや、誕生日のパーティを開いてもらえるうれしさとくれば、これはもう換言すれば『生まれてきてくれてありがとう祭り開催中!!』の気分にちがいありません。




うん。誕生日って、歳を取ったことを祝う日じゃないです。
数年前か、数十年前か、あなたが地上に生を受けたことそのものを祝う日なのです。
だから、何歳だってめでたいんです。そう、たとえ、四捨五入という言葉に呪いを感じるような歳になったとしても、当然のことながら誕生日はめでたい……よね、きっと。はぁ。


めでたいんだよ!!



さて。
毎年のように自分の誕生日を祝ってくれていた兄が、去年は祝ってくれなくなっていた。お兄ちゃんっ子の紅羽にとってはショックな出来事だったのでしょう。でも、いまはそれを受け入れられるようになっている。誕生日を忘れているから自分を愛していないわけじゃないって、それをよくわかっているから。


成長の過程でのある一定の時期から、兄弟姉妹の目に見える形での結びつきは、例外なく弱くなるものです。社会が家庭で閉じている小学生くらいまで、家庭が優先の中学生くらいまでをすぎて、高校生になれば完全に家庭の外の友人とのつきあいが最優先となります。


去年の彼女にはそれがわからなかった。でも、高校生となったいまはわかる。
一年経って、紅羽も大人になったんです。兄のジローに追いついたんですね。


でもさ、これって別に大人になった兄が大人になった妹を祝っちゃいけないってことじゃないんだよ。
お互い大人になって、それでも前と同じように何かをするって、とってもステキなことだと思うし、
それが、誕生日を祝うことなんて、なおさらじゃない。


ホントに、できた兄ですよねぇ。うちの兄と交換したいわ。


ん。今週もおもしろかった。



いいなぁまよチキ
ラブ分多めのラブコメなのにくどくもないしべたつきもない。
イカレたキャラが多いのにそれぞれがなんとかぎりぎり外れていない(謎)範疇に納まっている。
キタエリお嬢はとにかくハマり役。



などなど。漏れ聞こえる範囲では賛否両論っぽいこのアニメがわたしは大好きなのです。
では、また。次は最終回に書くかも。


……うさぎルームこえ〜〜。