それは『Fate/stay night』よりさかのぼること10年ほど前。前回の聖杯戦争の物語。
同時に、本編ではほとんど語られることのなかった様々な過去の“些細な”出来事が綴られた物語。



士郎の義父・切嗣の身に起こったこと。
凛の師であり教会の神父であり魔術師でもある綺礼の真実。
凛の妹の桜が間桐の養女とされた経緯。
イリヤの出生の秘密。
セイバーの、ギルガメッシュの、サーヴァントたちの因縁。


これから明らかになっていく真実は、希望を今につないだ物語なのか、それとも。



うむ。壮大なストーリーが無理なくすぅっと頭に入ってくる、隙が無いわかりやすいおもしろさですね。かといって底が浅くみえるわけでもないのがうまいところだと思います。
きれい事では片のつかない手段を選ばない魔術師たちの殺し合いですから、当然のことながら裏でのグロテスクで残酷な部分も描かれています。ただ、これも視覚的な嫌悪感を抱かせるものになってはおらず、そのことごとくが作品に不可欠な一部分となって溶け込んでいるために、はらはらドキドキはしたものの不愉快さは*1微塵も感じませんでしたね。



前評判通りに今期アニメの大本命なのは、おそらく間違いないのかも。




しかし、破綻無く上質にまとめられているこのシリーズは、同時に、数多のラノベが束になってかかっても傷一つつけられないくらいに、相当に荒唐無稽な物語でもあります。そういうお話だからこそ照れずに堂々と真っ向から大まじめに描く。それは正しいし、絶対必要なことなんでしょう。




……ただ、そこのさじ加減が難しいですよね、やっぱり。
やりすぎると、こいつらいちいちカメラの角度まで意識してしゃべってないか? と『思わせてしまう』わざとらしさが鼻につくようになると思うんです。というかそう思いました。


前作の『Fate/stay night』と演出はそう違いはないはずなのに、今回に限ってなぜそう感じるか。
高校生が話の中心だった前回とは打って変わって、登場人物のほとんどがいい歳をしたおじさんたちになっているから、なのかもなあと思ったり。


難しいもんだな。と痛感しました。


まあ、でも言うまでもなくおもしろいです。
来週からもずっと見ると思います。
ちなみに綺礼が好きです。


では。

*1:キモい絵だとは思いますけど