海の家で、小さい頃からファンだったバンドの<コンドルクインズ>に出会った来夏は、あこがれの存在を目の当たりにした興奮から盛大に舞い上がり、戦わずしてステージを明け渡してしまった。
自分から勝負を投げて“ファンクラブ”で満足しようとする来夏に、親友の紗羽は我慢がならない。
「わたしなら尊敬する騎手と走るとしても絶対に負けたくない。来夏は自分で歌わなきゃ!」
媚びとへりくだりの色に染まっていた来夏の視線に力が入る。尊敬する気持ちはいまも変わらない。だけどそれ以上に、目の前にいる三人のバンドマンはライバルだ。
ここのところ和奏につきまとっていた外人男性の正体は、彼女の母<まひる>と縁のあったコンドルクインズの一人でした。
和奏がまだ生まれる前のこと。まひるはコンドルクインズと行動を共にして、バンドにステキな歌も残していたのです。
彼は、久しぶりに訪れたこの街で、まひるの面影を強く残す娘の和奏を見て、ついつい日本語も忘れて追いかけ回してしまった、これが事件の顛末です。
彼らは和奏にこう伝えます。
「音楽はやるとかやめるとかいうものじゃない。いつもともにあるものだ」
それはかつて、彼女の母のまひるが言っていた言葉だと。
和奏がどう受け止めて、これから音楽とどう接していくのか。それがこの物語の柱の一つなのでしょう。
で。
いいですよねぇ、ろくに指導者もいない急造合唱部の練習風景! ノリはほとんど軽音バンドです。
基本の基本から手探りなのね、みんな目を覆うほどにド素人なのね。
こういうのは下手だからこそ楽しいのはあるよね。何をしても上達する段階は最高なんだよ。
もう夏休みだけど今日も補習で授業があったんだよ*1。教室の窓からふと校庭を眺めると、まだ小学生と区別のつかないような小さい子たちが、この暑い中を部活動で一所懸命駆け回ってるのね。うん、そう。傍目からみるとあれはスポーツなんかじゃないね、かけっこね。
そこがかわいい。
だいたい、勉強でも運動でも夏休みが境だよね。わずか40日の夏休みの前とあとで、子供たちは大きく違っているものなんだよ。きっと、夏休みが終わる頃には、彼らのかけっこもスポーツっぽくなっちゃってるんだと思う。そこまでいくと、がむしゃらに楽しいだけじゃなくなってくるんだけどね。壁の存在に気づいて落ち込んだり、発憤したり、早々に限界を感じてやめてしまったり……。
ま、いろんな可能性を試せる段階だからね。
30歳超えてマンガ家に挫折してから公務員を目指すのは遅い、って世代じゃないからね。なんの話だ。
そんなわけで。
今週は入浴シーンがありませんでしたね。密かにウィーンを期待していたりするのですけれど。
では、また。
*1:わたし、中学校で教えてます