無事に立候補は受け付けられポスターの掲示も完了し、いよいよ選挙運動が始まろうとしていた。これから始まる“お祭り”への期待と不安に胸を膨らませて、気持ちのいい高揚感に酔っていたショッケンの面々だったが、何をするにもお金、お金の選挙の現実を目の当たりにするにつれ、上がったテンションは徐々にだだ下がりになっていく。
幸いにも選挙会場では物販が許されそれを選挙資金に充てることができるらしい。これは大島裕樹特製ロールケーキ『大島ロール』で稼ぐしか!
高校生に50000円ってでっかいよねぇ。
さて、なるほど、こうきましたか。
ほら、もともとね、ショッケンの主張には正当性のかけらも見いだすことができないものじゃないですか。高校の部活動*1に学校がお金を出したり活動場所を提供するのは、あくまでも学校やあるいは国家が掲げる教育目標を達成するためなんです。
ひるがえって、ショッケンの活動内容を見てみるとどうなのか。ただ学校のお金で部員個人の腹を満たしているだけなんですよね。こんな部活動が承認されたことからおかしいし、まともな活動内容を偽って申請していたなら泥棒にも等しいし、本当にとんでもない話なわけです。わたしだってこんなところは即座に廃部にするのが妥当だと考えますもん。
つまりは、それで今後の選挙戦を勝ち進まれても、まるで共感できないものだったと思うんです。身勝手なお子様が理不尽に我を通すだけの話には興味がないし、こういう転換がもうちょっと遅ければ途中で切っていたかもしれないなぁ、と。なかなかいいタイミングでお話が動いたものだとちょっと感心しました。
東雲皐月がマニフェストで活動内容に問題のある部活を一掃しようとしていた理由は、経済特待生制度を廃止して、奨学金制度を創設しようとしているから。
なるほど、ここで『たかだか生徒会運営』に殺人*2まで絡んでくるのをはじめとした異常な学校設定が生きてくるわけですね。
生徒自治で超マンモス校の運営制度すらも変更できてしまうとなれば、なるほど人の命さえ駒となるほどの多額の金が動くということでしょう。
そして、アルバイトや雑用を強要される代わりに学費が免除になるという経済特待生制度もその一つ。
こんな異様な制度では作品内で起きているような蔑みやいじめの対象になるのは当然です。これでは生徒間に平等観が生まれるはずもない。どこからもなんらの強要も受けることのない奨学金制度や*3、お金の出所が学校や生徒たちとは無関係の新聞奨学生制度等とは話がまるで違います。
この学校の制度は、一般の生徒たちが自分たちが経済特待生を認めてやっているご主人様だと勘違いさせるに十分なのです。
今回、裕樹は自分たちがどれだけ恵まれているか、自分たちの要求がどれほどに甘えたものか、骨身に染みて感じたのだと思います。
そして、おそらくそれは、これからの選挙運動で、彼をより魅力的にするのに必ず役立つことなのでしょう。
正直、ちょっとどうかなって思ってたんですけどね。また少し先が楽しみになってきました。
来週が待ち遠しいかもしれません。
そんなわけで、がんばれ青海さん。
きっと裕樹がキミの境遇のためにもがんばってくれると思うよ!
では、また。