校内に迷い込み掃除中の男子生徒にいじめられていた白蛇を助けた菜々生は、その翌日、彼女の優しさを気に入った白蛇の花嫁として連れ去られてしまった。なんと蛇の正体は水神の神使だったのだ。主人をさらわれて激怒する巴衛だが、どれだけ探しても水神の社のありかが杳としてしれない。時間のみが無情に過ぎ去り焦燥感にさいなまれる中、手下の狐火がついに見つけたその場所は、なるほど、水神の住処を探しても見つからないはずだ。
そこは、既に神は去り、とうに朽ち果て、水没していた社の跡地だった。
助けてはいけないもの、が、此の世ならざるものの中にはあると言います。
祈ってはいけないもの、が、此の世ならざるものの中にはあると言います。
優しさが仇となり、すがられ、つけ込まれて、結果、ともに沈んでいくことになる。
生きている人間相手でも、あんまり変わらないことなのかもしれません。
どこに線を引くか、どうやって見て見ぬ振りをするか、何とも悩ましい話ではありませんか。
さて。
亀の恩返しならぬ、蛇の怨返しとでもいいましょうか。ひとりぼっちにされてそれでも主人が好きだった場所を護り続ける、悲しい蛇の化身のお話でした。
悪意なんてないんです。ただ、一緒にいてほしかっただけなんです。
迷惑だし、無理だし、そんなことできないし。なのに、頭ごなしに拒むこともできなくて足下にすがりついてくる彼を蹴飛ばすことなど想像もできなくて、すべてを許してしまった菜々生ちゃん。あまつさえ、また会おうと、会いに来るねと約束までしてしまう“愚かさ”が、とってもいとおしいではありませんか。
相手は妄執にとらわれた人知の及ばぬ魔物なのに、ただ転んだだけでけがをしてしまうような、脆弱な生き物の人間の女の子が、どうしてここまで強くなれるのだろうか。強くて、強くて、だからこそ危うすぎて……巴衛は、菜々生を守ろう。守らなきゃいけない。そんな気持ちを新たにしたわけでした。
うん、いいじゃないですか。
やっぱり危機ですよ。これで離ればなれになってしまうのではないか、という危機感こそが、二人の間をより強くするのです。
菜々生は巴衛に守られている自分を強く意識する機会になったし、巴衛の中にはこの触れたら壊れてしまいそうなはかない主人を優しく包み込むような気持ちが生まれてきた。うん、いいじゃないですか。
なかなかに少女マンガっぽくなってきましたよ。イケメンぽこぽこ増えてきたし!
次回も楽しみだね♪
そんなところで、また来週。
……しかし、蛇を素手でわっしとつかめる菜々生ちゃんすごいな。あと、学級日誌がめちゃかわいい。しいたけ嫌いとか、わたしも同じ! 馴染む!