白いひらひら、青空に近い場所……小毬が断片的に覚えていた兄の夢の話を聞いた理樹は、屋上に干された真っ白なシーツが青空の下一面にはためいている光景を思い浮かべる。そこはそう、病院。彼女と兄との思い出は、兄が入院していた病院のもので、そして、兄はそのまま亡くなったのではないか。そう考えた理樹は真実を確かめるべく、単身、老人ホームの小次郎の元へ赴き面会を求めた。核心を突かれた彼は言葉少なに「想像通りだ」とだけ答え、これ以上関わるなと理樹に告げた後、堅く口を閉ざした。



残酷すぎる真実を小毬に告げることもできないままいた理樹は、彼女に「なくしものを探しにいきたい」とデートへ誘われた。小毬が幼い頃に住んでいた街を散策してみた二人だが、残念ながら兄の思い出も、そこへとつながる手がかりも、一切見つかることのないままに、それでもデートとしては楽しい一日を過ごすことができたようだ。
リア充くたばれと空が嫉妬したわけでもないのだろうが、帰路へとついた二人はもう少しで寮に戻れるというタイミングで、突然の土砂降りに見舞われた。当てにならない天気予報への恨み言を口にしながら駆けだした二人は、側溝の中で冷たくなって横たわる子猫を発見する。



……どうして、動かないの?


そして、絶叫。
小毬はいま、すべてを思い出した。

理樹と二人で今日のデートで乗った公園のボートは、かつて兄が退院できたら一緒に乗ろうと言っていたボートだ。
兄が夢の中にだけにしか現れないのは、自分が死んだあとの小毬のことを心配した兄が、自分の存在そのものが夢だったと小毬に思い込ませたからだ。


思い出した。兄は本当にいたんだ。


そんな感じですね。
ですね、うん。小毬ちゃんはこう、頭が緩くて幸せいっぱいの子でもないのです。


原作ブランドのヒロインにほぼ共通した属性の、どこか病んでいる子の一人なのです。


あああ……小毬ちゃん!
その、このころころと鈴を転がすような愛らしい声で、天も裂けよとばかりの大絶叫はとても悲しいです。
見ているだけで、聞いているだけで、こちらの胸まで張り裂けそうな、気分になります。


さて、彼女の深い深い傷を、理樹君は埋めることができるのか。どうやって埋めて見せるのか。
来週が楽しみですね。





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あとは、明るくほがらかな小毬ちゃんの方のお話。
これ、前にも他のアニメで言った記憶があるなぁ、呼び方を変えるってことは、結局、それって自分にとっての定義が変わるんですよね、存在が変わるんですよね。


誰しも経験があったりしないかな?
たとえばほら、普段はニックネームで仲良く呼びあっていても、けんかすると突然名字の呼び捨てに変わるとか、あるでしょ?


これなんかも全く同じね。
要は化学変化。大好きだった誰かが瞬時に憎くなる。で、仲直りするとまた元に戻る。


で、化学変化ったらエネルギーです。
呼び方を変える。『○○さん』って呼んでいたのを『○ちゃん』みたいに変化させるエネルギーは、すっさまじく大きなものがいるよねぇ、と。


ま、そんだけですけど。




さて、今回はほとんど完璧に小毬ちゃんルート一本でした。
はるちんも、クドも出ないし、リトルバスターズの面々もほとんど空気。こうやって一人一人集中してクリアしていくのは、実にゲーム的ですよね。このやり方がアニメ作品で吉と出るか凶と出るか、興味深く見守っていきたい所存でありまする。


はい、では、また来週。
小毬ちゃんがげんきになりますように。