六花は勇太の前から姿を消し、祖父母と母親の元へと帰って行った。これでいいんだ。だってぜんぶ俺がやらせたことじゃないか。勇太は後ろ髪引かれる思いを必死で断ち切り六花の新しい門出を歓迎しようとする。でも、ちがう。ようやく気がついた。今まで自分は彼女を否定していただけだ。必要なのはありのままの彼女を受け入れることじゃないか。
勇太は居ても立っても居られない。朝までなんて待っていられるか!
深夜に自転車を飛ばし、夏に訪れた六花の祖父母の家へ飛び出していく勇太だった。
……いや、そう思えれば良いんですけどね。
ごめん、すっげーつまんなかった。
いや、最終回としてはいい。そこは認める。話はまとまっていて大きな破綻は見られなかったし、おそらく将来にわたって名作とたたえられる完成度の高い一本になるのでしょう。そこは反対しない。
でも、つまんない。今回の最終回にも部分部分としてはいいシーンはたくさんあったけれど、全体としてやっぱりしらけてしまったことは否めない。
なんでこんなにしちゃったのか。主人公自身の手で完全に“中二病の世界”を破壊してしまうことはなかったじゃないか。
たとえば、凸守はそんな能力がないことをはっきりと口に出して『認めて』しまった。髪をほどいた彼女がこれからいくらもう一度結んでおもりをくくりつけて振り回そうとも、もうそれは自他共に認めるただの演技。悪ふざけにすぎない。
六花もそう。一度外した眼帯を再び装着したところで、それはらぶらぶ彼氏とのプレイの一つでしかなくなっているのよね。
時々現れるめんどくさいヤツの相手をしたくないから再三言っておくけど、お話の展開としてそれはもちろんアリだと思う。中二病卒業物語をこの作品のスタッフの人たちが描くのは自由だし、そう読めばそこそこ悪くないストーリーだと認める。
だけど、わたしはこういうのキライ。
すっごくつまんなかった。
ていうか、六花が最初から『中二病でもなんでもなかった』というのがショック、というかね。
ん、そんな感じ。
あ、そうそう。もう一つだけ、これは言っておきたい。最後まで一貫してモリサマーは大好きでした。
魅力的な女の子がたくさん*1いる中で、この子だけは最初から最後までホンモノだったと思うんだよね。自分にうそをついていなかったのは彼女だけだったと思うんだよね。
ふむ……言いたいことは言ったかな。
さすが京アニ、絵も音もお話も高レベルの佳作だったと思います。
ただ、わたしは途中から好きじゃ無くなりました、と。では、また。
……でも、楽しかったけどね。こうやってなんていうかな、言いたいこと言おうと思わせるパワーのある作品って、あんまりないんだよね。
あ、いや。
『好きじゃなくなった』より『展開が気に入らなくなった』がより正確か。
たぶん、こうです。はい。
*1:まあ、4人ですが