最近大好きなkoboちゃんで読んだ本です。
クーポン券でね、40%~50%引きずつくらいで5冊読んだよ。
ね、koboちゃんいいよ、常に安いから!
kindleなんてたま~~~にセールやるだけよ?
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調査のために日本中を駆け回り、戦争中に様々な場所で ──
空母赤城で破竹の進撃の真珠湾。
同じく赤城で運命の分かれ目となったミッドウェー。
地獄のラバウル基地からのMO作戦、ガダルカナル攻略戦。
── 様々なときに宮部と出会っていた戦友たちからもたらされる驚きの話を戸惑いつつ咀嚼している間に、彼ら姉弟の『祖父』に対する思いは二転・三転していくのだ。
「宮部久蔵は戦場で逃げ回る臆病者だ」
「落下傘で脱出した敵兵を撃ち殺そうとする卑怯者だ」
「戦時に平時の考えを持っていた変わった男だった」
「操縦技術はピカイチだった」
「彼は私の命の恩人だ」
誰もが違う彼を知っていたようにも思える話の数々。
だが、たった一つ。
彼が臆病と罵られても死にたくないと思っていた気持ちは、いまの平和な世の中ならばみんなが簡単に理解できる普通の感情だったのだ。
あの時代にこれほどまでに死にたくないと公言し、生き残るためなら多少卑怯なことでもやってのけようとしていた宮部が、いったいなぜ特攻隊で死んだのか。どうしてそこで逃げ出すことを選ばなかったのか。
果たしてここまで描く必要があったのかな、と思わせるような衝撃のラストまで一気に読み終えて、一息ついたところです。
姉からの頼みとバイトだからいやいややってる感が丸出し。大戦のことなんてまるで興味が無いし、めんどくささ剥き出しの、主人公・佐伯健太郎の最初の頃の態度には、そういうことに興味を持ってこの本を開いた読者の皆さんは腹が立つかもしれません。
でも、普通は、大多数はそんなものなんだと思うんですよね。そんな彼が、わずか数十年前の同じ国で自分の祖父が体験していたことを知っていくにつれての調査にめり込んでいく姿は、少年マンガで主人公が強くなっていくのを見るのと同じような楽しみと快感を感じることでしょう。
もう一つ、この作品が読者と主人公に問いかけていたことがあります。
神風特攻隊は911テロの実行犯たちと同じ、単なるテロリストなのか?
これ、よく言われてましたよね。というか、いまでもカミカゼとあちらでは言ってますし、日本のマスコミでも特にそれに対して否定するような風潮はなかったように思えます。いろんな見方、考え方はあるでしょう。
でも、これはホントに作中に書かれていたように単純な話で、
『神風特攻隊は軍人が軍施設に向けて行っていた攻撃』
『911テロは犯罪者が無辜の市民に向けて行った虐殺』
この違いなんですよね。
特攻隊が正しかったなどとは口が裂けても言いませんけれど、同時に、特攻隊をテロだと言う言説には真っ向から反対したいです。
テロという言葉が安易に用いられすぎているように感じる昨今、今一度、その言葉が本来持つ意味の重みを考え直してみるいい機会にも、この本はなるのではないでしょうか
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ときに。
わたしは、この日本という国、日本人の気質というものは『極端から極端へと走りやすい』と思っているんですよね。戦前・戦中・戦後と、その合間で一足飛びに思想が変化してしまうような。良く言えば柔軟、悪く言うと、流されやすいのかもしれません。
っていうか、この10年間くらいで、もう2,3度はあとになってからじゃないと気がつかないような小さなパラダイムシフトでいったりきたりしているような……そーんな気がしていたりもしますねえ。

- 作者: 百田尚樹,須本壮一
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/09/07
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