蛍が春に分校へ転校してきてから一年が経ちました。
また、春です。
東京との違いすぎる環境に戸惑い怯えながらも、それ以上に楽しく愉快に村の子として成長を続けてきた蛍のお話は、今週でとりあえずブラウン管*1から姿を消すことになります。
だけどわたしは信じます。
人類がぬぼーっとした癒やしを求める限り、第二、第三のにゃんぱすは、必ず現れると!
「このイカスミのパスタからいただいてもいいですか?」
「あ、それ、焼きそば」
「あ…焼きそば……いただきますね」
「あたし、堅焼きそばも好きですから」
「あ、それ、普通の焼きそば」
「あ、普通の焼きそば……いただきますね」
かりっ。
ぱり、ぽり、しゃり、しゃり。
ぱり。
「このハンバーグね、チョコレートソースかけてるんだ」
「(チョコの味しかしない!! チョコの味しかしない!!!!!)」
きゅん♥
無理して食べたけど先輩喜んでくれてよかった!
しかし、すさまじい会話ですね。
咀嚼音が焼きそばのそれではないですね。
そうだ、ポテチをかじる音だ。
とにかく、ほたるん漢すぎです。
好きな女の子の笑顔のためなら、どんな殺人弁当だって平らげてみせるさ!
でも、炭酸水素ナトリウムだけはカンベンな!
ってそれ、重曹やん!!
いやまあ、食品にも使われますけど、味の決め手にされるのはどうかと思いますよ、こま先輩……。
△▼△
二人きりのハイキングは終わり、見ていると心配になるほどにのんびりと、丁寧に、田舎の春の緑がこれでもかとばかりに描かれていきます。
そうですね、一部ではこんなキレイな田舎があるかなどと、無粋なツッコミも受けている本作ではありますが、まあそれも間違いとは言えませんが、強いてネガティブに受け取ろうとするよりは、わたしたちの心のなかにある理想の田舎を体現してくれていた朗らか名作ド田舎アニメだったなーと、後になってみんなで思えた方がいいと思うのです。
れんちょんが、自分の名前と同じ蓮華の花で作られたかわいい冠をかぶり、鼻息荒くして大人の間を自慢して回っています。
冠を作ったのは、なんと意外な乙女スキルを保持していた夏海ちゃんだったりします。
すごいです、わたしあんなにキレイに編めません。
ずっと一緒に過ごしてきた友達に、そんなことができるなんて知らなかった!
うん、今までと同じように見える春でも、今までとはぜんぜん違う春がまた、やってきたのです。
ふー。
こんなに明るい緑にあふれたアニメは、記憶にある限りこの、のんのんびよりしかないですね。
都会の灰色にささくれ立ったわたしの心は、知らず知らずのうちに週に一度この色で浄化されていたのだと思います。
来週以降、ちょっと寂しくなるなぁ。
というわけで、スタッフの皆さんお疲れ様でした。
ステキなアニメをありがとう。またいつか、キレイな緑でわたしたちの心を満たしてくれる優しい作品を見せて欲しいですね。
*1:死語