『ラッシュ/プライドと友情』のオンライン試写会を肴にぐだぐだぶつぶつ言ってみる。
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ラッシュ/プライドと友情 スペシャル・エディション [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2015/10/07
- メディア: Blu-ray
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血気盛んな二人の若きF-3レーサー、ニキ・ラウダとジェームス・ハント。裕福な家庭で何不自由なく育ってきた二人は、だがその性格はまさに正反対だ。生真面目なラウダと奔放なハントの仲がいいわけもなく、寄ればさわれば反目し合い舌戦を繰り返すほどの険悪な関係だった。
やがて、その争いは世界最高峰の自動車レース・フォーミュラ1へと舞台を移しても、彼らの関係は変わることがなかった。それぞれがそれぞれに出会い、別れ、勝って負けて、別々に今を生きているだけ。
まだ若い二人は気付いていない。
殺してやりたいほどに憎らしいあいつが目の前をぶんぶん飛び回っていたからこそ、今の自分があることを。
まだ二人は認めようとしていない。
あいつこそが、生涯最大のライバルで、友と呼びたい男であることを。
という感じではじまったこの映画、新しい動画配信サイトの青山シアターで募集していたオンライン試写会に当選して先ほど見ることができました。
すごい話ですよね。まだ劇場公開前の最新映画を、ネットのストリーミングで家に居ながら見ることができるんですよ。いやはや。
ちなみに、この記事を書いている時点では、まだ第3回、4回目のオンライン試写会応募受付を続けています。それぞれ抽選で2500ペアかな? お金も何もかかりませんし、興味があればどうぞ。
さて。
この映画は若いファンにほど見て欲しい一本です。
特に若いのに『今のF1は金ばかりだ』『昔のF1はよかった』なんて嘆いてる人。そう、あなた。
ニキ・ラウダはスポンサーを探して持ち込むどころか、自前のお金で赤字になって文字通りシートを買ってたんですよ。
偉大なワールドチャンピオンとして今も尊敬される彼は、最初ペイドライバーだったんですよ。
ま、何が言いたいかと言えば、F1は昔からお金お金の世界なんです。
さらに言えば、インディカーに幻想を持ってる人の多さも気になってるんですよね。
「ペイドラばかりのF1はやめてインディへ行けばいい」とかよく耳にします
インディカーはF1以上に金、金、金ですよ?
くわえて、今どきのインディカーで元F1ドライバーなんて何の売りにもなりません。いっくらでも転がってます。ほっといてもよってきます。コネもない金もないドライバーが参戦できるほど甘くないです。インディカー舐めんなです。
△▼△
と、鬱憤晴らしをしてみたところで、本題に戻りましょう。
わたしは当然ですが、この二人の争いをリアルタイムで見たことはありません*1。知っていたのはラウダの身に起こった大事故とその後に奇跡の復活を遂げたことくらいで、恥ずかしながらハントとこんなぎりぎりの争いを繰り広げていたことも知りませんでした。
いやでも、そういう層にこそこの映画はオススメかもしれないです。
先がわからない楽しみもあります。当時のF1の安全性の低さにもびっくりです。1970年だなんか10年で8人ですよ。
F1はおもしろくなくなったよな。技術がどんどん発達して…安全性が高くなって…。
やっぱ…な。
男の戦は、死ぬかもしれないって危機感が欲しいよな。
新谷かおる『ジェントル萬 第02巻』より。
これは、本作とは無関係の、大好きなマンガのキャラクターのセリフです。
いまどきこんな事を言ったらモータースポーツファン失格のレッテルを貼られてしまいかねない危うい一言ですよね。
だけど、語弊を恐れずに言ってしまえば、モータースポーツの華はクラッシュだと思うんです。
『だった』ではなくいまもそう。
それを裏付けるかのように次々と描かれていく凄惨な事故は、なるほどたしかにそれを見つめるわたしの目を釘付けにして離しませんでした。
実写とCGを混ぜたレースシーンの描写は強烈の一言です。
どこまでが実際に人が乗って走っているのやら、素人目にはまるで区別がつきません。
そんなクオリティでクルマは宙を舞い、壁に激突し、次々とレーサーたちの命を奪っていくのです。
これは、興奮しなければウソです。
あ、いきなり手のひらを返すようですけれど、もちろん安全なのはいいことです。
死ななくなったのは喜ばしいことです。
いまのモータースポーツが、わたしは好きですよ。大好きなドライバーに死んで欲しくないしね。
でもね、誰の心にもね、あえて口には出さないけれどやはり……本音の底ではそういう興奮に対する欲求はあると思うんだなぁ。
あとはそうだね。
アメリカでは女性の93%から好意的な反応を得ているなどと書いてあったため、もっとこうディカプリオの新タイタニックのようにメロドラマ成分が濃厚なんじゃないかと心配していたんですよね*2。
でもへーき。そんなことはなかったぜ、です。
あらゆる面でのバランスがうまく取れている佳作だと思います。
EDのテーマ曲も上がるよ~。
以上。
これはお金を払って観てもアリじゃないかな? かな?