艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 一航戦、出ます!  (角川スニーカー文庫)

艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 一航戦、出ます! (角川スニーカー文庫)

さて、艦これライトノベルの二作目にあたる『艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 一航戦、出ます!』を読み終えました。

電子書籍のBOOK☆WALKERでキャッシュバックキャンペーンをやっていたので、そこで買ってみたわけですが、ここの閲覧アプリは、あんまりできがよくないですね。改善を要求します。





物語の中心となる舞台は、少し前に多くの提督を寝不足胃潰瘍高血圧に追いやった*1アイアンボトムサウンドイベント海域です。

ちなみにわたしはこのイベントは途中でぶん投げましたね。やってられっか! って。ゲージ回復マジカンベンです。

小説での描写はさすがにゲームほどひどくはなかったにしろ、書かれていない部分で多くの艦娘がぼろぼろになってはいたようです。なむなむ。

で、そうですね……う~ん。

大筋のストーリーは悪くないです。嫌いじゃないです。

ただ、本作の主人公が『提督』である部分が、どうにもなじめなかったんですよね。ほら、ゲームでの提督はプレイヤーじゃないですか。だから、



自分ならこんな選択はしない



読んでいるとそう思ってしまう部分がかなりあるんです。

このへん、わたしと同様に感情移入の激しい人だと、気にかかる部分かもしれないな、と思いますね。

それから、無理やりにゲーム中のセリフを混ぜ込んでいる部分が多く目立ってそこが不自然に感じることが少なくなかったり、イマイチ一部のキャラの口調に違和感を覚えることがこれまた散見されたりと、細かい部分で気になるところがはっきりいってかなりありました。

結論としては、手放しでオススメはしない。

でもまあ、読むなというほどひどくもない。

……こんなとこかなぁ。





△▼△



わたしはラノベ一作目の『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!』がめっさ大好きです。同じ本を二度読むことがめったにないわたしには奇跡的なまでに珍しく、すでに四回は読み返しているくらいの勢いで大好きなのです。

その一本目と本作を比較してみると、いろいろ設定が違いすぎるまでに違うのがおもしろく感じます。

たとえば『陽炎』での艦娘は特殊な軍隊で特殊な装備を用いて戦ってはいるものの、あくまでもそこにいるのは人間の少女たちです。

翻って、この『一航戦』での彼女たちは人間ですらありません。いずこからか召喚された旧軍艦の魂と記憶を持った精霊のような存在、かな?

鎮守府の置かれている場所も『陽炎』では舞鶴や呉と言った通常の軍港が艦娘たち用になっているだけなのに対し『一航戦』での鎮守府は結界が施された普通の人間には入ることも許されない特殊な空間の中に存在しています。

鎮守府への出入り口は鳥居の奥にあり『禊ぎ』や『穢れ』のような単語がそこかしこに登場していたのを見るに、神道が深く関わっている世界観なのかな?



あ、余談ですが、艦これがアニメ化を筆頭に公式作品として広くメディア展開を開始すると聞いたときにわたしがまず心配したのが『設定が固定されてしまうこと』だったんですよね。

でも、同じ小説という分野であっても、これほど異なる世界観が許されるほどに作者に設定の自由が公式作品として認められていることに、深く安堵しました。



どんな艦これでも、どんな艦娘でも、間違いじゃない。



そう、はっきりと宣言してもらったみたいでね。

主流になっている、等身大の少女がスケートの要領で海上を滑るように走って行く形もいいけれど、アンソロにあった巨大ロボット型艦娘もいいし、マップスやアルペジオで描かれているような、船の頭脳としての少女型ロボ(?)もまた味わいがあります。

いろんな艦これを今後も読んでいきたいものですねぇ。



では、また。



艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)

艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)


*1:いや、てきとー言ってるだけですけど、それくらいひどかった