人の強烈な憎悪に曝され、人を思う心を絶望に包まれ、闇に飲まれた十香が、この世でもっとも信頼していたはずの人である士道を襲う。アイザックの策略にはめられたためだとしても、その一切の遠慮会釈のない攻撃には、さすがの士道も手も足も出ない。
だが、同じだ。強大な力を持つ精霊を前にして士道が出来ることなど、もとよりたった一つしか無い。
デートして、デレさせる。
それだけだ。
十香のことはあとまわしにするとして、ついに、というか、チョー簡単に、というか、美九がデレました。
「よう、美九……無事か?」
かっけええええええええええええええええ!!
士道、チョーかっけええええええええええええええええ!!
不覚にも、不肖この青葉のぞみ、このシーンでマジ涙を浮かべていましたよ。
絶対的な危機の中で、身を挺してまで自分を守ってくれる男の背中をまじまじと目に焼き付けさせられてしまった乙女がデレないことなどあろうか。
いやない。あってはならないこと!!
そんなノリで、一件落着。
次は、十香。
こっちは面倒くさそうだ。
(今の)あいつは人の言うことを聞かないからな……。
案の定、とても対人戦で用いるものとは思えない空間ごと街を切り裂く桁外れの斬激を惜しげも無く振り下ろしてくるところなど、まさに覇王翔吼拳を使わざるを得ない状態だ。
その剣撃にはさすがの士道も一度は原子の塵にされかけたが、美九の呪縛から解放された四糸乃や八舞姉妹の助力により窮地を脱することができた。
さあ、反撃だ。いけ、士道!
十香「戦闘中にキスなど、意味がわからん」
まったく同感だ。
これまた一瞬で一件落着。
なんやねんな!
アイザックが巨額の資金と長い準備期間をかけて『反転』させたプリンセスが、あっという間にたった一人の男の接吻で消え去ってしまいましたがな。
だが、それがいい!!
この頭の悪さこそ、デート・ア・ライブの根幹ではないかと、わたしはいま思い出したのです。
で、なんですか、10話で終わっちゃうんですね。
で、なんですか。
劇場版制作決定とか。
前期はたしか『第二期制作決定』とか最終回にやってましたよね。
まったく、まったく。
ともあれ、人気アイドルにファンの前で「ダーリン」とか呼ばれて困っちゃってみたり、それを他の女の子にジト目で追求されたりしちゃったり、最後の最後にハーレムラブコメの基本にも立ち返って終わって見せたのは、あまりの駆け足展開の中でもぎりぎりやっておかねばならないお約束だったのでしょうか。
いずれにしても、スタッフの皆様、おつかれさまでした。
わたしは二期目もとっても楽しませていただきましたですよ!
劇場版……はどうするかまだ未定の考え中なれど、ぜったいにBDは買いますからね!
終わり。