ある日、図書部に舞い込んできた『筧の好みのタイプを調べて欲しい』との匿名の依頼に色めき立つ、筧を憎からず思っている白崎ら女子部員一同。
そんな彼女たちが『調査』をお題目に計画した集団デートに振り回される筧だったが、人との繋がりを楽しく思い始めた彼にとって、それは決して不快なイベントではなかった。


だが、筧はこの日、ようやく気がつく。
かけがえのない大切なものだと感じ始めてきた人との繋がりは、羊飼いになればすべて失ってしまうものであることを。


気の置けない仲間たちと面白可笑しく過ごしながら、裏では羊飼いとして世のため人のために働く……なぁんて夢見てた?


嘲笑するような小太刀の言葉が、筧の胸に突き刺さる




調査依頼の主は小太刀でした。
筧に羊飼いになることの意味を教えるために、今現在彼が手にしている生活の大切さを思い知らせる意味があったのでしょう。

ばっかじゃないの! 何の代償も無しに大きな力を手に入れられるほど、世の中甘くないのよ

それは、羊飼い候補のライバルである筧を追い落とそうとする必死で卑劣な手段であると同時に、自分が既に失ってしまった(と信じ込んでいるだけかもしれない)人としての幸せな生活に今なら戻れる彼への手向けでもあるのかもしれません。


「(お前が羊飼いになったら)俺もお前のことを忘れちまうんだな


筧のつぶやきに大粒の涙を浮かべる小太刀。
その勢いで筧にキスをする小太刀。

こんなことをしたってあんたは綺麗さっぱり忘れちゃうの

『何もかも捨てた』と叫ぶ彼女の言葉が真実、心からのものだと思える人は誰もいないでしょう。

忘れないでほしい。この世界に自分を留めて欲しい。
そんな悲鳴が聞こえてくるようです。



△▼△


重い部分はこのへんにして、いやホントにそれぞれ個性的な女子たちによる筧へのアピールときたら、まとめて蹴り飛ばしてやりたいどれもこれもかわいらしくてほほえましいものです。




いきなり流しを片付けはじめて家庭的な部分を強調する白崎。
趣味が合うことを喧伝してで親近感を煽ろうとするカナスケ。
きっちりまじめでお堅いところに時折見せる『かわいい』でのギャップ萌えで悩殺を謀る玉藻。
つかみ所の無い性格を縦横無尽に駆使することで彼を振り回して自分のペースへ持っていく千莉。


……と、確かにこれだけいろんな女の子がいれば、誰推しプレイヤーになるかで好みはわかりそうなものですよねえ。


あ、何の参考にもなりませんが、わたしはカナスケ派です。


そういえば。
いやあのさぁ、それよりさぁ、なによりさぁ。
部活メンツの“全員”で出かけるってのにさぁ、高峰くんを呼ばないのはあまりにもひどいっしょ。

アニメだからまだいいけどさぁ、これハッキリくっきりいじめだよぉ?


エロゲのプレイ中には気にならないかもしれないけれど、違う媒体になったらやっぱりそこねえ。ここ気になるなぁ。めっさやだなぁ。


そんな、今週のお話でした。
ではまた、来週。