女の子は泣けるんだから。泣いたっていいんだから。
吹雪が幾度も見せる貼り付いたような笑顔の奥にも、睦月のそれと同じような、決してため込んではよくない感情が押し込められていたのでしょうか。
そういえば「辛ぇよなぁ、男は泣けないもんな」と、苦笑交じりに愚痴っていたのは『軽井沢シンドローム』の相沢さんだったか『我が名は狼』の犬神さんでしたか。
いずれにせよ、男の子はたいへんですよね。ストレスがたまるのもわかります。
さて。
今回の艦これでは、何と言っても吹雪のツッコミ力が際立ちます。
なんせ、臨時編成された部隊になぜか組み込まれた吹雪が対面したメンバーといえば、金剛型*4 + 島風です。

全員ボケ。
これはハード。
こうなると唯一の真人間ポジションの吹雪としては、発言のすべてが裂帛の気合いの乗った鋭いツッコミであることが求められるのです。
もう、最初からひどかった。
金剛らが長門から告げられた作戦内容を適当に聞き流し理解半分の顔で言ったのがこうです。
「要するにすごい速さで近づいて、一気にどかんとやってしまえばいい」
これが(高速)戦艦脳とでもいうのだろうか。とてつもなく恐ろしい。
その上、艦隊の頭脳を自認する霧島のセリフですから、剣呑さ層倍です。
まあ、わかってましたけどね。
わたしは霧島のことはメガネゴリラと呼んでますし。
あ、ごめんなさい撃たないで。
それはさておき。
えー……そうですね。
おちゃらけ7割・戦闘2割・涙1割の、最後まで通しで見ればそれなりにバランスが取れていたおもしろい回だったと思います。
戦闘シーンでの見どころは何と言っても金剛が吹雪を“かばう”シーンですね。現実の戦争では戦艦が駆逐艦をかばって弾を受けるなど基本的にあり得ません。
実にゲーム的なシステムと言えるこのアクションを、アニメにもちこんだらどうなるかと言えば……超カッコいい!!!
読めてました。わかってました。
ここでかばわずにいつかばうんだとばかりにお膳立てされた、予定調和のシナリオでした。
吹雪のために敵の砲弾の真正面に仁王立ちとなり、あまつさえその弾を片手ではじき飛ばしても微動だにしない金剛の背中の大きさと言ったら。
この1秒のために、30分見ろと、誰にでも胸を張って勧められる名シーンですよ。
はぁ、満足。
いままでで一番楽しかった回だったかもしれません。
陽炎も動いたしね。
予告からすると、来週は瑞鶴の登場かな?
楽しみですね。