赤城は夢を見た。
“自ら”の慢心が招いた悲劇の、あの日。
決して忘れることの出来ない、惨状の記憶。


そして目覚めた彼女は決意する。


何度も何度も強く願った“if”の先を目指そう、と。


過去”の敗戦の責任は、そのすべてが作戦を立てた司令部と艦を操っていた現場の将兵たちに ── すなわち人間たちにのみ帰結するべきものです。

『赤城の作戦ミス』のせいでと語られる文脈は、当然言うまでも無く赤城を動かしていた人間たちの責任という意味でしかなく、無機質な鉄の塊でしかない艦船に責任を転嫁しようなどと考える人はいないでしょう。


それなのに。

当時の何百、何千の人々が全員で受け止めるべき大きな過ちを、艦娘はたった一人で、その小さく華奢な体で受け止めようとする。

これがどれほどに過酷で残酷なことか想像もつきません。


そんな感じで。
赤城さんは、単なる腹ぺこキャラではないのでありました。


どのような運命のいたずらか、ミッドウェー海戦を模したとしか考えられないMI作戦の発動において、赤城は可能な限り当時と違った展開を求めようとします。

現在の鎮守府の勢力を見れば、過去の実際のミッドウェー海戦における大陣容をそのまま再現することは不可能なことはわかっているはずですが、さらに念を入れて、当時、動けなくなった“自分”を雷撃処分した舞風を第一機動部隊から外すことで、万全を期すのです。

そういえば“過去”の吹雪は大和や長門の属する連合艦隊の一員として参加していたために、今回のような赤城の護衛となることも自然と過去の否定材料となるのでしょう。


……やー、それはいいんだけど、やっぱり謎の吹雪推しは気になるよねぇ。


ともあれ、MI作戦はスタートします。

できうる限りの準備を手堅く終えて、赤城の率いる四人の正規空母を擁した機動部隊は鎮守府の港を離れて作戦海域へとひた走ります。

しかし、大和隊とのランデブーポイントにおいて、彼女らとの合流に失敗したことから、事態は急転直下です。
まるで最悪のシナリオを再現しているように、次々と大破に追い込まれていく正規空母たち……その光景に絶望して動きを止めた赤城の頭上から襲い来る敵艦爆の群れ。


赤城の運命はいかに。

という、引き


いや、これ、またですよ。

また、空母から護衛を外して先行させちゃったが故の被害ですよ。今度のは護衛の吹雪の責任じゃありませんけど、部隊としての学習が足りませんよね。

でも、あえてこれを赤城の慢心とは言いません。
必死にもがいた上での失策、なのでしょうから。


ともあれ、今週も睦月ちゃんはけなげで愛らしかった
最後に、それだけは言っておきましょう。


では、また。
えっと、来週で終わり? え? あと二回あるかな?