望んだわけではなく自らに与えられたサキュバスの能力 ── 催淫 ── に悩む、どこまでも普通の乙女な先生です。
自分に寄せられる好意は、すべて催淫能力によるものではないか。
そう考えると、素直に恋愛にハマることのできない彼女。
だけど、自分の力が通じにくい、性欲の薄い(と思っている)高橋先生とならうまくいくのではないかとちょっと思ったりして、ことあるごとにどぎまぎしている可愛い女の子なのです。
そんなある日、亜人課*1の刑事である宇垣から聞かされた真実に、佐藤先生は困惑します。
「その男も間違いなくお前に催淫されているよ。そう見せないように努力しているだけだ」
・・・・・・それでも、自分は高橋先生が好きだ。
そう思える佐藤先生の気持ちは本物だよ、と宇垣刑事は言うのでした。
△▼△
どうして好かれているか、って悩むのは、決してサキュバスだけじゃありませんよね。普通の人間であるわたしたちも、日常的によく思うことです。
女で言えば「カラダだけが好きなんじゃないか」「顔しかみてないんじゃないか」
男性なら「俺が金持ちだからつきあってるだけでは?」みたいな悩みもあるでしょう。
でもね、ぜんぶ不可分なんですよね。
そこまでひっくるめて、人としての、異性としての魅力なわけです。
・・・・・・なんて、簡単に納得できたらラクなんですけども。
理屈じゃないよね、恋愛は。
そんな三巻目でありましたのよっと。

- 作者: ペトス
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/03/18
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
*1:亜人による犯罪を取り締まる部署