いや、うん。アレよね。



最初からこういうのやれや!



という。



うーんとね、テレビアニメ版・艦これが『テレビ版・必殺仕事人』とすれば、劇場版・艦これはちょうど『(劇場版)必殺!III 裏か表か』に相当する作品だと言えましょう*1



わたしね、必殺シリーズはハードなのが好きなんです。

だからCSでなるべく古いのを見てます。

新しくなればなるほど、おちゃらけだらけで中身空っぽになるもの。

まあそれでも『必殺仕切人』などは好きなんですけどね。



必殺! III 裏か表か [Blu-ray]

必殺! III 裏か表か [Blu-ray]



……閑話休題。



さて、テレビ版に比較して劇場版のどこがいいかというと。




戦闘シーンがカッコいい

テレビアニメの艦これはとにかく酷かった。そして無駄にキレイだった。

安いCGモデルの艦娘たちがフィギュアスケーターもかくやと氷上を行くかのようななめらかさで海上を滑り、敵にぶつかればホラ射撃!でなんのひねりも盛り上がりもなく弾薬を雨あられと敵の頭上に降らせ、たまに被弾したらと思ったら、そこに汚さのカケラもないときてる。

原作ゲームが戦争物だというのに、戦闘シーンがまるでかっこよくない。



劇場版はここがすべて解決されています。





とにかく動きます、走ります、敵を屠った分だけこちらも弾を喰らいます。

安いCGなど画面上のどこにもありません。その描き込みと死に物狂いの動きの前には、もはや弓道警察の出番などないでしょう。

戦闘シーンだけを楽しむために見ても、絶対に損はない。そんな壮絶さがあります。




悪い意味での二次創作の影響を受けていない

おちゃらけもいいよ。かわいいだけの話もいいよ。だけど、結局最後までそれだけだったよ。

そんなテレビ艦これになった最大の原因は、嫁き遅れ足柄やクレイジーサイコレズ大井などに代表される、キャラ崩壊設定を盛り込んでしまったためだと思っています。

もちろん劇場版も、公式・非公式を問わず発表されている膨大な二次創作の影響から逃れることなど、到底できることではありません。というより、それをやっては逆に魅力も何もない作品になることは必至。要はキャラを破壊するようなネタを選ばずにバランスを取って吸収すること、なんですよね。

劇場版にできていてテレビ版にできていなかったのが、これです。



なんてまあ、いいことだらけのように言っていますが決してそうではなく、テレビアニメから引き継いだ悪い部分も健在なわけで、それが……。




吹雪が主人公の理由がまるでわからない



これね。

ストーリーの核心そのものなのでこのへんはぼやかしますけど、他にもっと存在するはずの主人公にふさわしい*2艦娘がいくらでもいるはず。実施のところ、なんで吹雪なんだろう? 原作者の趣味以上の理由はあるのかな。知らないけど。



全体的に見て80点かな。

戦闘のカッコよさがもうたまらない。



ま、こんなとこかな。リハビリリハビリ。




*1:めっさわかりにくいですね。必殺シリーズのファンではないヒトも『裏か表か』だけは見ておいて損はないと思います。それくらいハードでカッコいいのです

*2:無理なく設定を成立させられるという意味で