コスメCMのブレイクにより、にわかに売れ出した音楽少女。今回のお仕事は「音楽少女の日常」と題して、彼女たちの住むシェアハウス<どるちぇ>での撮影だ。
だが、張り切って仕事に臨む少女達に対し、撮影スタッフの稲葉が求めていたものは「いかにもなアイドルっぽい女の子たちのそれっぽい日常風景」でしかなかった。
アイドルっぽいアヒル口の笑顔。
とにかくアイドルっぽく笑顔でスマイル。
長い業界生活でスレにスレてしまった稲葉にとってのグラビア撮影は、そこにいるのが「アイドル」であればいいということなのでしょう。
音楽少女でなくてもいい。それなりに名の通った女の子が笑っていればそれでいい。
きっと彼も昔はそうじゃなかったと思うんです。
それぞれ違う個性を持ったアイドルたちの、それぞれの魅力を最大限に表現して、今以上に輝かせてあげたいと思っていた……わたしはそう思います。
音楽少女に限らず、アイドルをやっている女の子ならみんな並以上には我が強い筈です。
「自分が」「自分こそが」と、小さな事にも他の誰かとは違う自分を魅せたいと思うに違いない。
稲葉だけが悪いんじゃないと思います。
適当にルーチン仕事で撮影を続ける彼に、異を唱える事をしなかった被写体にも幾ばくかの責任はあったはずです。
だって「『アイドル』じゃなくて『音楽少女』を撮影してください」と、一所懸命に訴える羽織と、羽織の気持ちを後押しするはなこと、音楽少女を優しく見守る池橋らの気持ちは、稲葉に伝わったのですから。
熱意には熱意で応える気持ちはずっと持ち続けていたんですから。
そんな感じ。
十把一絡げに「アイドル」扱いされることで露骨に嫌悪感をあらわにする面々が好きです。
来週も楽しみに待ってます。