猿渡宇希の参加によってメンバーは3人。めでたく、同好会の発足が可能となりました。
当面の活動場所として視聴覚教室に落ち着くことになった新生・チア同好会に、さっそく応援の初依頼が舞い込みます。「好きな人に告白する勇気を出したい!」
どんな突拍子もない依頼だって、それが応援できることであるならば、チア同好会は協力を惜しまないのでした。
実力テストの追試から解放されたこはねを迎えて、いよいよ練習を始めようとしていた3人ですが、なんとも悲しいことに、バスケット部員に体育館から追い出されてしまいます。
あ~……体育館はねぇ。
バスケに限らず、バレーとかバドミントンとか卓球とか、様々な運動部が実績を盾に奪い合いをくり返している、いわば紛争地帯です。ぽっと出の部にもなっていない*1チア(予定)部に割譲される領域など、畳一枚分も無いと言うものです。仕方ない。
学校中をさながら難民のごとく練習場所を探し歩く3人でしたが、なかなか適当な場所が見当たりません。
さて困ったと、担任の犬養先生に相談したこはねに「3人集まったなら同好会が作れるぞ」とのアドバイスが。
めでたく、活動場所を学校に保証してもらえることになりました。
第一希望の体育館は当然のように一蹴されて、
お互いがお互いを思って無理をして譲ろうとするのですが、最終的に視聴覚教室で活動することと相成りました。
高所恐怖症のこはねに無理をさせるより、自分が幽霊のピアノが聞こえてくるというウワサを気にしないことにした方がいい、とする、宇希の優しい気持ちに、ちょっとほっこりしましたね。
△▼△
ですが、相談と言っても、こはねも、ひづめも、宇希も、恋愛経験ゼロ。
それでも、相談はがんばります。紺の思い人は、なんでも家庭教師をしてくれている大学生だとか。
いや、皆さんの夢を壊すようでちょっと言いにくいんですが、家庭教師が異性ってほぼありえないんですよね。
業者がそんな派遣をすることはまずないし、個人的に雇うとしても雇うのは親ですから、なおさら異性なんて選ぶはずがありませんよ。
リアリティがないなぁ、しょうがないよね、きららだし。
「その先生って、女の人なんだ」
同性の家庭教師だった!!リアリティあった!!!
てか、この子もやっぱりきららキャラだった!!!
さておき。
そんなショッキングな告白にも欠片ほどの動揺も見せることなく、3人はどうすれば告白が上手くいくかの検討を重ねていきます。
迷いの無いまっすぐな応援の心に触れて、虎徹は自分が恥ずかしくなりました。
「どうして一番近くにいた友人である自分が、一番彼女を応援してあげなかったんだろう」
宇希は言いました。
「大事に思っているからこそ軽く言えないんだよ」
そう、そうだと思います。
無責任に応援するのはホントに簡単なんです。
「人それぞれだよね」とか「誰に何を言われてもやりたいようにやればいいよ」とか、その場だけ自分のことだけ考えれば、最適解だと思われます。共感を示せば喜ばれるし、嫌われることもないし。
けれども、違うよね。友達とか、親とか家族とか、あとは内容によっては先生もそうかな。
そういう立場にいる人は、嫌われるかもしれなくたって言わなきゃいけないこともある。
もちろんそれが正しいとは限らないけれど、ただ全肯定してあげるだけが友情じゃないし、優しさじゃないのは確か。
理解と迎合は違う。
あ、もちろん、こはねたちはそうやって口先だけで応援しているわけではないんでしょう。
彼女らは好きという気持ちは誰に向いていても素晴らしいものだ、と心底思っているのでしょうし、ならばその恋を成就させてあげたいと、持ち前のチア魂から本気で燃えているのだと思います。
このへんは、こはねと虎徹の性格の違いと、紺との距離感の違いなのでしょうね。
チア同好会のアドバイスが役に立ったのかは謎なものの、この告白は実を結んだそうでなによりです。
きららだしね!
というわけで、3話目もステキなお話でした。
やっぱりわたし、この作品が好きだなぁ。
*1:この時点では同好会にすらなっていません