今日は待ちに待ったチアリーディング大会の日。
早朝からハイテンションをキープして気合い充分!に会場入りしたこはねが、突然に笑顔になれなくなった。
常に前向きで元気なだけが取り柄のこはねから笑顔を取り上げたら、一体何が残るというのか。必死にリラックスさせようとするチア部のみんなの気持ちをあざ笑うかのように、演技の時間は刻々と迫ってくるのだった。
離れているからこそ、仲良くできる関係ってあるんですよね。
近づけば近づくほど、許せなくなる相手っているんですよね。
ひづめが中学時代にケンカ別れした古巣のチームメイトと和解できたのは、ひづめがチームを辞めたからに他ならないのだと思います。
これが、仲直りしたから、今から元のチームに戻ったとしたら。
やっぱりまた、大きないさかいに発展して、同じことをくり返すだけ(断言)。
こはねが混乱して笑えなくなっていたのは、ひづめの選択が間違いではなかったことを証明しなければとの、強迫観念に支配されていたからです。
有名チームの実力者として君臨していたひづめを、素人だらけの急造チームの一員としてしまったことに対する負い目です。
かつてひづめを追い出した元チームメイトが、余裕たっぷりで静かな微笑を浮かべながらかけてきた詫びの言葉に、知らず知らずのうちに感じてしまった、こはねの弱点、でしょうか。
「人の疝気を頭痛に病む」と言うように、自分のことではちっとも悩まない彼女も、これが友人のこととなると一転して身動きが取れなくなり、本来何の責任もない事柄まで自分が悪いからだと思ってしまうのか……。
なんて、万が一にアニメを見ないままこれだけ読んでいる人がいたら大きく勘違いするようなことを並べ立てましたが、放送されたアニメは暗いところなど皆無の脳天気アニメなんですけどね!
うん、こんな内容なのに、暗さの一つも見せずにいつものように徹底的に淡白に優しく描いているのがすごいと思うアニマエールなんです。

支えてくれる仲間がいるから、応援してくれるみんながいるから、いつだって自分は頑張れる。
応援してもらっているからこそ、応援することができるんだ。
本番の真っ最中にようやくそれに気がついたこはねは、チア部の仲間と共に、笑顔で演技を終えることができたんです。
予選落ちしたけどな。
いろいろあって途中から感想を書けなくなっていたのですが、最終回だけはちょっと語っておこうかと。
この作品からは元気をたくさんもらったんです。
どこまでも完膚なきまで徹底的に明るくてまぶしくて、いやなことなんてぜんぜんなくて、汗と笑いと闊達さにあふれた少女達の姿に、わたしのささくれだった心は癒やされ続けました。
ホントに楽しかった。
スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
これからも、明るく楽しいお話を描いて下さいますようお願いして、〆と致します。